2016年02月19日

<八木山動物公園>渡り鳥飛来 取り戻す【河北新報オンラインニュース2016年2月19日】(シジュウカラガン/連載既報あり)

夜明けの空に飛び立つシジュウカラガンの群れ=1月28日午前6時30分ごろ、大崎市田尻の蕪栗沼

◎いのち次世代へ 開園50年(中)これまで

 仙台市八木山動物公園(太白区)の歴史で、内外から評価されているのが冬の渡り鳥シジュウカラガンの復活事業だ。1982年の着手から30年以上に及ぶ取り組みが実り、一時姿を消した冬の使者が戻りつつある。

<絶滅危機遠のく>
 1月下旬、大崎市田尻の蕪栗沼。シジュウカラガンの越冬地で、NPO法人蕪栗ぬまっこくらぶのメンバー2人が望遠鏡に目を凝らしていた。夜明け前。空はまだほの暗い。
 飛来シーズンに毎年実施しているモニタリングだ。カウンターを手にしたメンバーの戸島潤副理事長(44)の表情が緩む。「ここ数年は順調に飛来数が伸びていて、数える方も楽しみ」
 2015年11月、宮城県内への飛来数が過去最多の2137羽を確認した。14年度(1070羽)の倍以上。約20年事業に関わってきた八木山動物公園の阿部敏計副園長は「絶滅の危機が遠のいた。ようやくここまでたどり着いた」と感慨深げに語る。
 発端は、日本雁(がん)を保護する会(栗原市)の会長だった横田義雄さん(故人)の要請にさかのぼる。80年ごろ、「シジュウカラガンの群れが舞う空を取り戻したい」と当時の島野武仙台市長(同)に訴えた。

<目標 数万羽回復>
 当初は試行錯誤の連続だった。
 シジュウカラガンを園内で繁殖させ、保護する会、ロシア科学アカデミーと共に95年、生まれた個体を千島列島中部の繁殖地エカルマ島で放し始めた。
 毎年十数羽前後を放鳥したが、1羽も戻ってこない年もあった。成果が見えてきたのは05年度。放鳥した個体を11羽確認し、初めて2桁台に乗った。12年度は278羽、13年度は576羽と近年は増加ぶりが目覚ましい。
 「粘り強く続けたことが功を奏した」と事業開始当初に飼育員だった阿部益夫さん(74)。「エカルマ島の悪天候で放鳥に苦労した年はどういうわけか必ず1羽は戻ってきた。気持ちが通じたのかな」と振り返る。
 阿部副園長は「一度失われた生態系を取り戻すのは並大抵のことではない。数万羽への回復を目指し、環境保護の重要性を伝えていきたい」と力を込める。

[シジュウカラガン]カナダガンの亜種で絶滅危惧種。全長60センチほどで白い頬が特徴。戦前は現在の仙台市宮城野区福田町周辺の水田に多数飛来していたが、1938年から62年まで観察記録が途絶。一時は絶滅したと考えられた。繁殖地の千島列島などに毛皮採取目的で放たれたキツネに捕食されたのが要因とみられる。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160219_13072.html

ttp://archive.is/GGXNp
<八木山動物公園>希少種繁殖に力注ぐ【河北新報オンラインニュース2016年2月18日】

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