2016年02月20日

都心の水族館、演出で大人気 狭さが弱点、アイデア勝負【朝日新聞デジタル2016年2月20日】(エプソンアクアパーク品川/すみだ水族館/サンシャイン水族館/ペンギン)

<カフェバー>エプソンアクアパーク品川のカフェバーで酒を飲みながら水槽のサンゴを楽しむ男女=東京都港区

 東京都心の水族館が装いを変えている。大幅リニューアルや新規オープンが話題を呼び、客足も好調だ。利用者の多い駅や人気スポットに近いが、施設の規模には限界がある――。都心ならではの制約がある中、「水のある空間」の演出に工夫を凝らす。

 入り口のスペースの壁一面に氷の結晶が浮かび上がる。最新の映像手法ログイン前の続き「プロジェクションマッピング」を使った四季の演出だ。

 品川駅近くの「エプソンアクアパーク品川」(東京都港区)は昨年7月、開館10年を機に全面改装に踏み切った。改装前はアトラクションのフロアだった1階は、水槽をメインにした空間に生まれ変わった。

 照明を落とした通路の水槽には花のオブジェを組み合わせ、奥のカフェバーでは酒や飲料を瓶で販売。サンゴの水槽がテーブル代わりだ。スーツ姿の男性会社員(39)は会社帰りに彼女と訪れ、「いやすい雰囲気」と青く浮かぶ水槽の前で肩を寄せ合った。

 開館以来人気を集めるイルカのパフォーマンスも変わった。360度どこから見ても楽しめる円形プールの天井に、水が円柱のように落ちて様々な模様などを刻む「ウォーターカーテン」が登場。夜の部では、七色の照明と音楽を組み合わせて幻想的な空間をつくり出し、説明のアナウンスは廃止した。

 「発展する品川で象徴的な施設であり続けるため、全面改装に踏み切った」と高橋直人館長(42)。「音・光・映像と生き物の融合」を打ち出し、水族館の枠を超えた都市型エンターテインメント施設を目指した。改装後の入館者は100万人を突破し、開館初年を上回るペースという。

 東京スカイツリータウン(同墨田区)に2012年5月にオープンした「すみだ水族館」。約100の水槽の近くなど、あちこちに1〜4人掛けのイスがある。その数、100脚計300席。イスやテーブル、カーペットは家具・インテリア会社が提供した。アロマもたき、居間のような空間を演出する。山内将生館長(44)は「時を過ごす空間づくり」と言う。

 水族館は商業施設の5〜6階部分にある。床やはりの強度を高めても、使える水の量は計約700トン。運営会社が同じ新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)の4分の1以下だ。山内館長は「水槽の数を競うより、新たな提案ができる水族館を目指した」。

 目玉のペンギンプールや小笠原の海を再現した水深6メートルの大水槽は、時間を忘れて眺めているカップルらの姿が絶えない。昼はママ友同士がランチをし、夜は酒食を共にする人たちの姿も。週末の夜に彼女と訪れた区内の会社員山崎聡さん(29)は「ゆったりと過ごしたい時はここ」。年間パスポートを持ってたびたび来るという。

 ■大人向け、成功のカギ

 都市型水族館の先駆け、池袋のサンシャイン水族館(東京都豊島区)は11年8月のリニューアル後、1年間で224万人を集めた。改装前の年約70万人の約3倍。4年余り経ったいまも、年100万人を上回る来館者が訪れる。

 地上40メートルにある高層水族館。そばに高さ240メートルのサンシャイン60もそびえ、「天空のオアシス」と名付けた。緑化した屋上庭園には、来館者の頭上にドーナツ形の水槽を配置し、アシカが空を飛ぶように泳ぐ空間を作り出した。

 仕掛け人は数々の水族館で集客増を実現した水族館プロデューサーの中村元(はじめ)さん(59)。スタッフに「大人向けへの転換が成功のカギ」と説いた。「大人は必ずしも生き物の展示を見に来るわけではない。『水の塊』を見に来ている」

 高層水族館に巨大水槽は望めない。最も大きい水槽でも最深部は2・3メートル。遠近法を採り入れて手前を深く、奥に行くほど浅くしたり、岩の色や照明を調整したりして、深く青い海の奥行きを演出した。中村さんは「ビルの中だからもとより期待は小さい。うまく『水塊』を見せれば、期待以上の潤いを感じてもらうことができる」と話す。(井上恵一朗)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12219866.html

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