2016年02月23日

男の気持ち 鳥たちと共に 鹿児島県出水市・中島征士(70歳)【毎日新聞2016年2月23日】

 わが家は出水平野の山手の海抜90メートルほどの所にある。メジロ、ジョウビタキ、ヤマガラ、シロハラ、アオジ、コゲラ……と四季折々に鳥たちがやってくる。

 テラスに影をつくるエゴノキの幹には巣箱を掛けている。「どんな鳥が入る?」と来客に聞かれると「シジュウカラだよ」と答える。何組かのカップルが下見には来たが入居には至らず、「始終空(しじゅうから)」というわけだ。

 玄関先のナニワノイバラの棚の上にキジバトが毎年営巣している。敷石に落ちたふんで「あっ来たな」と気づくのだ。巣立つまでの間、共に暮らす。

 ある年、猫のモモのうなり声に驚いて見ると、ヒナを蛇が飲み込もうとしていた。追い払ったが、ヒナは助からなかった。

 桃の木の高い所にコゲラの巣の跡を見つけたこともある。

 庭の柿若葉の下を季節の応接間とし、茶の接待をする。そのベンチに寝転んでいたら、眼上の電線にいる2羽のシジュウカラに気づいた。虫をくわえている。そーっと離れて、遠くから見ていると、ベンチサイドのキンメヤナギの洞(うろ)に出入りしている。ヒナがいるのだ。「あんな低い所で大丈夫?」と心配になり、ヒナの声を確かめたり写真に撮ったりしているうちに巣立っていった。

 最近、シジュウカラは全く新しい場所にしか営巣しないことを知った。

 そうか。それなら巣箱の新築だ。「敷金家賃不要」と書いておこう。

 これからも楽しく生きようと思う。鳥たちと共に。
http://mainichi.jp/articles/20160223/ddp/013/070/005000c

ttp://archive.is/hNWZV

posted by BNJ at 22:21 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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