2014年10月30日

希少種の指定解除巡り対立 オオタカ巡り環境省と保護団体【日本経済新聞2014年10月30日】

 絶滅の恐れがあるとして「希少種」に指定された動植物の生息数が、努力の結果増えた場合に指定は解除すべきか――。この問題で環境省と自然保護団体が対立している。主人公はオオタカ。制度の科学的運用を主張する同省と、自然保護の象徴の鳥を守りたい団体側。論争の行方は、希少種の取り扱いのモデルケースにもなりそうだ。

 「オオタカは身近な自然の象徴。解除は時期尚早だ」。10月上旬、東京都内で開かれたシンポジウムで、環境省の担当者が説明した指定解除の方針に批判が相次いだ。解除で生息地が再び開発の危機にさらされるのではないかとの懸念は、自然保護団体に根強い。

 オオタカは高度経済成長期の住宅地造成などの影響を受け、1984年の民間調査で全国に300〜489羽と推定されるまで減少。同省は、93年の種の保存法施行と同時に「国内希少野生動植物種」に指定した。

 同法は土地の所有者が希少種の保存に留意しなければならないと規定している。2005年の愛知万博では、会場予定地だった愛知県瀬戸市の「海上の森」で営巣が確認されたため、計画が大幅に縮小された。

 日本オオタカネットワークの遠藤孝一代表は「里山の生態系を守ることができたのは、オオタカが希少種だったからこそで、環境省はそうした影響もよく考えるべきだ」と訴える。

 オオタカは90年代に入って生息数が増えた。レッドリストでは06年、絶滅危惧から準絶滅危惧に“ランクダウン”。08年の専門家調査では、関東地方と周辺で約5800羽が確認された。

 環境省の担当者は「希少種は、個体数などの根拠に基づき指定するもの。科学的に運用しなければ希少種全体の信用にかかわる」と懸念を示す。

 指定解除になれば、08年のルリカケスに続く2例目。解除後も定期的に生息調査を実施し、再び絶滅の恐れがあると評価された場合は再指定も検討する。捕獲は鳥獣保護法で規制される。

 最大の課題は、里山の開発など、自然保護団体が心配するような生息環境への影響をどう防ぐかだ。環境省は都道府県に猛禽(もうきん)類保護のガイドラインを周知する方針だが、団体側は「法律的な裏付けがなければ意味がない」と効果に否定的。

 山階鳥類研究所の尾崎清明副所長は「生息数を見れば指定解除は妥当だが、希少種のお墨付きがあって初めて開発にブレーキがかかるのも事実。環境省は慎重論が根強いことを踏まえ、解除後の措置を丁寧に説明すべきだろう」と話した。〔共同〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG30H0O_Q4A031C1000000/

ttp://archive.is/o18BS

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