2016年03月20日

彩人旬人 二見シーパラダイス飼育員・田村龍太さん /三重【毎日新聞2016年3月20日】(ペンギン)

二見シーパラダイス飼育員・田村龍太さん
触れ合いある見せ方を 田村龍太さん(39)

 伊勢市二見町の水族館「二見シーパラダイス」は4月、「伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス」(通称・伊勢シーパラダイス)に施設名が変わる。同時に館内展示の改装も予定され、スタッフらが準備に追われている。人気者のセイウチやカワウソなどを担当する飼育員の田村龍太さん(39)は「他の水族館にはない、触れ合いを大切にした見せ方を追求したい」と話す。【新井敦】

 小学生のころ、テレビの人気動物番組を見て「面白そう」と飼育員に憧れた。海が好きで、動物園より水族館を目指した。

 専門学校に進み、各地の水族館で実習した。二見シーパラダイスを訪れた時、「ここで仕事をしたい」と思った。決め手は、トドやアシカなど海獣との触れ合いをテーマにしたアトラクション。来館者がすぐ近くで触ることができ、息づかいまで伝わる。「動物が飛び出してきてショーをする。他にはない魅力があると感じた」

 同館の飼育員は掃除から始まり、餌やり、トレーニング、接客、さらにはショーやイベントの企画まで担当するなど、仕事の幅が広い。動物の命を預かる責任があり、その日その日で状況は変わる。予定を立てられず、休みの取れない勤務が続く。そうした中で「明るいニュース」は動物たちの出産だ。

 2014年に生まれたゴマフアザラシの赤ちゃんは、どうやって育てればいいのか、難しい事例だった。生後1週間で母親が病死してしまったため、母乳が飲めなかった。他の水族館の助言を受け、魚の切り身を凍らせて強制的に飲み込ませ、懸命に育てた。苦労の末に一人前に育ち、公募で「いぶき」と名付けた。

 「命を育てるのは成功ばかりではなく、失敗もある。教訓を次に生かすことが大切」

 水族館の情報発信も飼育員の重要な役割だ。今回の改装では「今まで見せられなかった姿を、できるだけお客さんに見せられるように工夫している」。例えば、新設の「赤ちゃん飼育舎」は、誕生したカワウソやペンギンなどを早い時期から展示できるように冷暖房を完備。また「ペンギンの森」は、野生では土の上で生活するペンギンもいることを知ってもらおうと、本来の生息環境に近づけて再現したコーナーを整備する。

 「動物に負担をかけることなく、たくさんの人に好きになってもらえる水族館を目指す。そのためには自分自身も飼育技術のレベルアップをしたい」

 《メモ》

たむら・りゅうた

 東大阪市出身。大阪市内の動物関係の専門学校を卒業後、1996年から二見シーパラダイスの飼育員。現在はイルカ、セイウチ、トド、アシカ、カワウソ、ゴマフアザラシの6種類を担当する。

〔三重版〕
http://mainichi.jp/articles/20160320/ddl/k24/070/092000c

ttp://archive.is/csxHG

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