2016年03月26日

カラスは人間に仕返しなんてしない!? ほんとはかわいいカラスの生態【ダ・ヴィンチニュース2016年3月25日】(『カラスの補習授業』松原 始:著・イラスト、植木ななせ:イラスト/雷鳥社)

『カラスの補習授業』(松原 始:著・イラスト、植木ななせ:イラスト/雷鳥社)
 最近、夕方になると何十羽、何百羽ものカラスが空を覆いつくす光景が観察される。夕陽の赤とカラスの黒のコントラストが独特で不気味な雰囲気だ。カラスは世界各地の神話に登場する。ギリシャでは太陽神アポロンが人語を話せるカラスを従え、北欧では最高神オーディンが知恵と情報をもたらす2羽のワタリガラスを両肩に乗せている。そして、日本では3本の足をもつ八咫烏が神武天皇の東征を導いた。昔から神聖な鳥として認識されると同時に、学習能力が高いためにずる賢く狡猾なイメージもある。

 そんなカラスに無尽蔵の愛情を注ぐ人がいる。東京大学総合研究博物館に勤務し、カラスの行動と進化を研究する松原始氏だ。「カラスに燃え、カラスに萌えるカラス馬鹿一代」と称する彼は、そのカラス愛を惜しげもなく詰め込んだ著書『カラスの教科書』(松原 始/雷鳥社)を2012年に発表。そして満を持して続編『カラスの補習授業』(松原 始/雷鳥社)が刊行された。著者がカラスを研究する中で発見し、考察したことをとりとめもなく吐き出した本書は、前作と同じく分厚い。400ページに及ぶ大作である。だが、著者の軽妙な語り口と表紙にも描かれた本書のキャラクター・カラスくん(5歳)のおかげで小難しい話も親しみをもって読むことができ、カラスの意外な面が見えてくる。

 例えば、カラスを攻撃すると彼らに仕返しをされると巷ではよくいわれる。だから、うかつに手を出せない雰囲気があるが、どうやら違うらしい。松原氏は、農家の人から「畑を荒らす1羽のカラスが防鳥ネットにひっかかって死んでしまったのだが、翌年からカラスの大群が来た。あれは復讐されたのだろうか」と質問を受け、「カラスには『あいつを困らせてやれ』という意識はないだろうし、そもそも『イチゴを食べたら農家が困る』という認識もないだろうから、復讐ということはないだろう」と答えている。では、なぜ彼らは大群で押し寄せたのか。それはその場所を縄張りにしていたカラスが死んでしまったので、空白地帯になってしまった場所にカラスが入ってきてお祭り騒ぎになったのではないかと説明している。

 また、2015年の初めにネットニュースで、ローマ在住の8歳の女の子が野生のカラスにエサを与え続けたところ、エサ箱にイヤリングやボタンなどの光り物を置いていくようになり、“カラスの恩返し”として話題になった。これについて、松原氏は恩返しとは見なせないとし、カラス同士でエサやモノを与え合う行動が転用された可能性を指摘する。人間を繁殖相手だと思い込んだわけではないが、疑似的な「求愛給餌」が再現されたと推測している。いずれにしても、そんなカラスの勘違い行動は想像するだにかわいい。

 カラスは賢く攻撃性の高い性格ゆえに嫌われがちだが、けなげに生きる姿を知るとかわいく見えてくるようだ。つぶさに観察すれば、夕方の空を飛ぶカラスの姿にも、不気味さより哀愁を感じられるようになるかも。

文=林らいみ
http://ddnavi.com/news/293218/a/

ttp://archive.is/OCB0e

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posted by BNJ at 21:44 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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