2016年04月01日

社説 知床条例施行 共生の理念を広げたい【どうしんウェブ2016年4月1日】(シマフクロウ/オジロワシ)

 「知床」が持つ類いまれな価値を、将来世代へ引き継ぎたい。

 「知床世界自然遺産条例」が先の定例道議会で全会一致で可決され、きょう施行された。

 環境や生態系の保全と適正利用の両立を図るため道、関係団体、道民、来訪者の役割を定めている。道が地元などと協議し、担い手を育成することも明文化した。

 国内四つの世界自然遺産で、こうした条例が設けられるのは初めてだ。他の遺産のモデルとなることも期待される。

 大切なのは、知床の特徴である自然と人との共生の理念を広げていくことだ。道には条例に基づき、地元と連携して具体的な取り組みを進めるよう求めたい。

 条例化は昨年、遺産登録から10年を迎えたのを機に検討が進められてきた。

 策定にあたっては、主に管理を担う国、オホーツク管内斜里町、根室管内羅臼町、知床財団や住民とも協議し、要望を反映した。

 その一つが、条例の適用対象を世界遺産区域だけでなく隣接地域まで広げたことだ。

 遺産区域限定では、生態系や生物の多様性を維持することは難しい。保護と活用のためには、遺産区域と一体と捉えるべき地域にも対策が必要だからだ。

 条例により、シマフクロウやオジロワシなど遺産区域に生息する鳥獣類に悪影響を及ぼす行為は、隣接地域でも規制が可能になる。

 今月からは道職員1人が現地に常駐する。条例には罰則に関する規定はないが、道職員が関係機関と連携し地域を巡回すれば、知床の自然を守る上で効果的だろう。

 「知床の日」を1月30日にしたのも地元意見を重視した結果だ。

 当初は遺産登録された7月17日としていたが、流氷が運ぶ栄養分で生態系が支えられていることを踏まえ、遺産登録年の流氷接岸初日にした。

 知床には遺産登録前から、市民の募金で開拓跡地を買い取り乱開発を防いだ「100平方メートル運動」など、自然環境の価値を科学的に裏付け、人との共生に努めてきた歴史がある。

 観光で知床半島の先端部を訪れる際には原則、動力船を用いないなど、関係者が決まりを作り環境保全と活用の両立も図ってきた。

 こうした自主的な取り組みを続けるには、担い手の育成が欠かせない。道が財源を含めしっかり対応していくことが必要だろう。

 それが、条例の効果を高めることにもつながる。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0052983.html

ttp://archive.is/e57dc

posted by BNJ at 21:34 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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