2016年04月08日

ブログ:原発事故から30年、野生動物が戻るチェルノブイリ【ロイター2016年4月8日】(オジロワシ)

[チェルノブイリ(ベラルーシ) 6日 ロイター] - 人間がいなくなると、環境に何が起こるのか──。チェルノブイリ原子力発電事故から30年を経た今日、ベラルーシとウクライナにまたがる広大な汚染地域で急増するオオカミやヘラジカをはじめとする野生生物が、その手掛かりを与えてくれる。

1986年4月26日、当時ソビエト連邦の構成国だったウクライナの原子力発電所で試験運転が失敗し、放射性物質がヨーロッパの広範な地域に飛散した。

ベラルーシのドロンキにある廃墟と化した村では、オオカミの死骸をついばむオジロワシの姿があった。

10万人以上がこの地を永久に捨てざるを得なくなり、ほぼルクセンブルグと同じ広さの、国境をまたぐ「立ち入り禁止区域」では、野生動物が唯一の居住者となった。

べラルーシ側の規制地域では、黄色や赤の放射能危険標識のある荒れ果てた村々が、オオカミや鷹といった捕食動物のための猟場となっている。モリフクロウやカササギなどの鳥たちは、廃墟と化した建物の屋根や煙突に巣を作っている。

ベラルーシで2月撮影(2016年 ロイター/Vasily Fedosenko)
ベラルーシで2月撮影(2016年 ロイター/Vasily Fedosenko)
「人々は決してあそこには住めない。たとえ2万4000年後であっても、それは不可能だ」。ウクライナ環境・天然資源庁ハンナ・ブロンスカ長官は、森や沼地、開けた田園地帯からなる2600平方キロメートルに及ぶ立ち入り禁止地域について、こう述べた。

放射能の動物集団に対する長期的影響は、激しい議論の的となっている。なぜならば、科学者たちは人間の不在によるプラス効果と、汚染環境下で生存することによるマイナス効果とを区別することに苦労しているからだ。

昨年10月発行の科学誌カレントバイオロジーに掲載された研究によると、べラルーシ側の立ち入り禁止地域では、放射能汚染にもかかわらず、汚染されていない他の地域と比べて、オオカミの数が7倍以上だったという。

立ち入り禁止地域を出て、近くの農場から子牛を奪ったりするオオカミもいるため、ハンターたちが罠(わな)を仕掛けたり、歯止め措置として狼を仕留めたりしている。


今後100年にわたって、チェルノブイリ原発から危険な放射線物質が飛散することを防ぐため、重さ3万トンのアーチ型「シェルター」建造へ国際的機関が資金を出した。しかし、原発から半径30キロ以内で、最も核降下物を浴びた森林や土壌を浄化する手段はない。

ブロンスカ長官は先月、当局がこの非居住地域を、野生動物を守り、研究するための生物圏にすることを検討していると述べた。

この地域の一部を核廃棄物貯蔵や、ソーラーパワー向けに利用する計画もある。

ベラルーシ側からこの規制地域に入るためには、通常数日間だけ有効な、特別な政府許可が必要となる。この地域に向かう道路も、誰も無断で入れないよう監視されている。

ウクライナ側でも立ち入り規制が厳しいが、少数のツアーグループは、ゴーストタウン化したプリピャチを含めた禁止地域を訪れることが許されている。

ベラルーシで2月撮影(2016年 ロイター/Vasily Fedosenko)
ベラルーシで2月撮影(2016年 ロイター/Vasily Fedosenko)

人間がいなくなると、環境に何が起こるのか──。チェルノブイリ原子力発電事故から30年を経た今日、ベラルーシとウクライナにまたがる広大な汚染地域で急増するオオカミやヘラジカをはじめとする野生生物が、その手掛かりを与えてくれる。
http://jp.reuters.com/article/blog-nuke-idJPKCN0X508Y
http://jp.reuters.com/article/blog-nuke-idJPKCN0X508Y?pageNumber=2

ttp://archive.is/GdTJn
ttp://archive.is/HgyJ4
動物の楽園になった世界の立入禁止区域5カ所 世界に点在する立ち入りが禁止された地域を野生動物が謳歌する【ナショナルジオグラフィック日本版2015年10月15日】

タグ:オジロワシ
posted by BNJ at 21:39 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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