2016年04月23日

(天声人語)被災地の日常【朝日新聞デジタル2016年4月23日】(ウグイス/カラス/フクロウ)

 16日の本震から1週間が過ぎた。熊本地震の避難者は8万人を超える。新聞やテレビの報道は、とかく激甚な被災地に向かうものだが、それほどの被害ではない多くの人たちは、どんな思いで過ごしたのだろうか▼熊本県宇城(うき)市の稲岡義朗さん(47)一家の場合、自宅が倒壊するかもしれず、1週間は車中泊で乗り切った。2台の乗用車に家族4人が眠る。夜に熟睡できない分、日中は交代で体を休める▼震度6強の揺れで、自宅の壁ははがれ落ちたものの、食料はあるし、水もある。「益城町などのような被害の大きかった町で、家が全壊した人のことを思うと申し訳ない思いになる」と稲岡さんは話す▼スーパーが数日、営業を休んだ。その間、近くの人からタマネギなど野菜のお裾分けにあずかった。地域のありがたみを感じた。中学が臨時休校中の長女(14)は、ヨモギや三つ葉を摘んできた。生物好きの娘が探した食材が食卓に彩りを添えている▼稲岡さんは被災後、身近な鳥の姿に目がいくようになった。昼間に鳴くウグイス、巣作りに励むカラス、夜に飛ぶフクロウ。「今まで時間に追われて気にさえしてこなかった自然の営みが、震災後はいとおしく感じるようになりました」▼稲岡さんのように感じる被災者は数知れない。被害の程度にかかわらず、地震は被災者の暮らしと思考を一変させる。それは悲しみや絶望だけではない。自然とどう向き合うか。命とは何か。家族をどう支えるか。被災者の日常はどこまでも続く。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12324125.html

ttp://archive.is/BYpcc

posted by BNJ at 12:12 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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