2016年04月26日

【夕焼けエッセー】園芸【産経WEST2016年4月26日】

 雑木ばかりの庭に、年中途切れることなく四季折々の草木の花が咲いたら、どんなに素晴らしいだろう。植えっぱなしで無農薬、水やりは天からの雨だけ(夏場はそうはゆくまいが)、自然のなりゆきに任せた手間いらずの園芸が実現すれば、これに過ぎたるものはないと考えた。

 誰が見ても美しくない花は存在しない、というもっともらしい理屈から、「手当たり次第植えてやろう」とたびたび園芸店へ足を運び、めぼしい草木を少しずつ買い求めてところかまわず移植した。

 数年たつと私の思惑とは異なる結果が現れだした。品種改良をされたものほど脆弱(ぜいじゃく)で、次々枯れたり、発芽しなくなったりする。放任主義が自然流でよいと考えたのは、私のエゴであることがわかった。

 そこで、なるべく野生に近いものを選び、性質を植物図鑑で調べ、それらが持っている本性を理解するうちに、私のエゴをある程度きいてくれる草木が育つようになった。

 品種が増えるにつれて昆虫が多様になり、野鳥も十数種類飛来する。それらの勉強にもなって、総合的におもしろくなった。まだまだ試行錯誤は続くが、毎日庭でゆっくり花と向き合い、花と対話し、花から感動をもらう。

 「今日も元気の源をありがとう。ドレスアップしてくれるのはうれしいのだが、君を見つめるのはこの老いぼれだけだよ。ごめんね」。花は、黙ってほほ笑んでいる。

山崎範雄 83 岡山県井原市
http://www.sankei.com/west/news/160426/wst1604260040-n1.html

ttp://archive.is/IsOw2

posted by BNJ at 23:46 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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