2016年04月27日

東京)東京はてな/自給自足は夢のまた夢?【朝日新聞デジタル2016年4月27日】(ヒヨドリ/カモ)

ヒヨドリを狙って散弾銃を構える小川岳人さん=あきる野市

 ◆自給自足 東京では夢のまた夢?

 ◇猟に挑戦 畑も可 米難題

 ロビンソン・クルーソーの漂流記にときめき、テレビ番組で芸能人が無人島生活を送るのを見て憧れた。食べるものを自給自足できる暮らしは、東京では夢のまた夢……だろうか?

 新宿駅からJRで約1時間半。あきる野市の武蔵五日市駅で降りると、あたりの林は雪で白く染まっていた。3カ月前のことだ。

 市内に住む小川岳人さん(33)と待ち合わせ、軽トラックに同乗させてもらった。5分ほどで秋川渓谷近くの林道へ。住宅はまばらになり、林の雪の上には動物の足跡があった。「今日は条件がいいですよ。イノシシ、タヌキ、テン、クマ。ここには何でもいますから」と小川さん。

 平日はスーツ姿で渋谷のIT企業に通勤し、休日は山で獣を撃つ。小川さんは自称「サラリーマン猟師」だ。散弾銃を手に、長靴がすっぽり埋まるほど雪が積もった林道を登る。ふいに小川さんが頭上の木々に銃を向けた。パン。乾いた音が林に響く。そして静寂。ヒヨドリを見たそうだ。だが何も落ちてこなかった。山道を歩くこと3時間。成果はゼロ。こんな日がほとんどなのだという。

 小川さんは熊本県阿蘇市出身。東京に憧れ、高校卒業後に上京した。吉祥寺や杉並で暮らしたが、2011年の東日本大震災で意識が変わったそうだ。食品が棚から消えたスーパーを目の当たりにし、「食料を自給できる能力があれば、災害でも生き抜けると思い始めた」。熊本地震では実家の家族も被災し、避難生活を続けているという。「やはり地震は、こわい」

 東日本大震災後に目指したのが、都心で仕事を続けながらの「自給自足」だった。23区内で育った妻を説得するため、秋川渓谷でのキャンプに誘い、第二の人生に田舎暮らしを選んだ人を紹介するテレビ番組を一緒に見た。あきる野市に移住したのは震災の1年後。いま、アパートで妻と1歳の長男の3人で暮らす。

 地元の猟友会に所属し、猟友会の先輩から散弾銃を譲ってもらった。猟を始めたのは2年前から。猟友会での集団の猟を含め、この2年で体重90キロのイノシシ1頭、カモ約20羽、ヒヨドリ十数羽を仕留めた。わなでもタヌキやアライグマを計約30頭捕った。

 ただ、「家計には貢献できていません」。毛をむしり、解体し、血抜きや熟成にも手間がかかる。野生の肉を妻は食べてくれない。当面の目標は「専業猟師」で、仕留めた動物の肉で料理イベントを開くなどして生計を立てるのだという。

 ネットで興味深い記述を見つけた。《檜原村には、かつて自給自足の生活があった》。島を除くと都内唯一の村。レンタカーを手配し、村を回ってみた。

 地産地消を掲げるNPOが運営するレストラン「四季の里」。日替わり定食には特産のフキノトウやジャガイモ、白菜が使われていた。ただ、米は都外産の市販品。従業員の大久保敬子さん(60)は「平地が少なく米はとれない。食料の完全自給自足は難しい」。

 たまたま来店していた坂本義次村長に話を聞いた。「幼少期は自宅で作ったヒエやアワが主食だったけどね。仙人みたいな人はもういないんじゃないかな」。村には薪(まき)で湯を沸かす風呂が残る家も多い。「沢の水を使えば、お風呂の湯と熱源は自給自足できるね」。村長は笑った。

 (別宮潤一)
http://www.asahi.com/articles/CMTW1604271300001.html

ttp://archive.is/DGxeD

posted by BNJ at 11:46 | Comment(0) | 鳥獣狩猟ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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