2016年05月02日

(ひと)和食雄一さん トキの遺伝的多様性の研究で京大博士号を受けた獣医師【朝日新聞デジタル2016年5月2日】

和食雄一さん
 2003年に国産個体が絶滅した国の特別天然記念物トキ。中国から贈られたり、借りたりした5羽をもとに繁殖し、新潟県の佐渡島で放鳥を続けた。先月、自然界生まれのペアから40年ぶりにひなの誕生が確認された。

 「ある程度増えたら、遺伝的多様性も考えなければ」

 佐渡トキ保護センター勤務時から、国内で繁殖した全ての個体の情報をもとに100年後の状況を解析。飼育数を今の3倍に増やしても理想的な多様性は得られず、中国から新たな個体を導入し続けなければ再絶滅のリスクが減らないとの研究をまとめ、3月に京都大学から論文博士号を受けた。

 05年、新潟県庁に入り、センターに着任した。通算9年間、トキの保護に携わった。

 元々は犬猫が専門。関心は薄かったが、孵化(ふか)が近づくと泊まり込み、生後40日ほどは付きっきり。餌をねだられたり、起き上がれないのを助けたり、手がかかる。「でも可愛らしい」。人間と同じだと自分の子ができて気づいた。

 08年に初めて放鳥した後の観察中、育てた1羽が頭上をぐるりと回って飛び去った。「サヨナラって言ってくれたのかも」。自立していく姿に寂しさも覚える。

 絶滅させておきながら、自然へ放つ作業に人間のエゴを感じたことも。「だからこそ大事に育てたい。再絶滅だけはさせてはいけない」

 (文・写真 田中恭太)

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 わじきゆういち(38歳)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12338580.html

ttp://archive.is/NRxdN

posted by BNJ at 11:57 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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