2016年05月16日

コウノトリ「コウちゃん」婚活中、巣は作ったがお嫁さんは?…和歌山に飛来して4年、関係者やきもき【産経ニュース2016年5月16日】

巣にいるコウちゃんとみられるコウノトリ。婚活はうまくいくか=和歌山市(関西電力提供)
 和歌山市の紀の川流域で約4年前から目撃されている国の特別天然記念物のコウノトリが今春、同市に初めて巣を作った。「和歌山コウちゃん」と呼ばれ、オスで4歳の“結婚適齢期”。「持ち家もあるよ!」とアピールしているのかどうか、メスのいる兵庫県豊岡市の「県立コウノトリの郷公園」にも姿を現し、“婚活”にいそしんでいるようだ。和歌山では毎日観察するファンもいるほどの人気者で、「早くお嫁さんを」と周囲はやきもきしている。(兵頭茜)

遠方からようこそ

 かつて全国各地に生息していたコウノトリは、社会や環境の大きな変化で、昭和46年、野生種が絶滅した。国内最後の生息地だった豊岡市では、40年から保護や飼育下での繁殖を始め、平成元年に初めてのヒナを誕生させた。

 17年からは野生復帰に向けて放鳥。近年、放鳥したペアや、国外の個体とのペアなどから孵化(ふか)する事例も報告され、少しずつ個体数が増加している。

 コウちゃんは、人工孵化し放鳥されたペアから生まれた両親のもと、24年5月に京都府京丹後市で誕生。個体番号はJ0057で、7月に巣立ちし、生まれて4カ月後に和歌山市に飛来した。

 京丹後市から和歌山市。これだけ遠方に住み着いたコウノトリは全国的にも珍しいという。右足に付けられた黒と赤の輪と、左足に付けられた黄と赤の輪がコウちゃんの目印。飛来して以来、和歌山市船所の住宅地の鉄塔をねぐらにしている。

見守り隊

 コウちゃんを熱心に追いかけるファンもいる。ねぐらの近くに住む青柳久勝さん、福田直彦さん、土橋進さん、和田博之さんの4人だ。それぞれ早朝と夕方にコウちゃんの姿を探し、カメラに収めてブログに載せたりしている。

 4人はもともと知り合いではなかったが、それぞれコウちゃんを観察しているうちによく顔を合わせるようになり、意気投合したという。

 喫茶店を営む土橋さんは野鳥の観察が趣味で、鳥の写真を撮っているとコウちゃんがやってきたといい、観察は今では日常の一部となった。ほかの3人も「とにかく見ているだけで楽しい」と笑顔で話す。

 アイドルを追いかけるような、あるいは父親のような気持ちでコウちゃんを見つめる“見守り隊”の4人。「お嫁さんを連れてきてほしい」というのが今の願いだ。

一軒家持ちの“シティーボーイ”

 そのコウちゃんに“婚活”の兆しが出ている。今年初めて巣を作ったのだ。場所は、鉄塔から約7キロ西に離れた工業用埋め立て地の電柱の上。一帯は、関西電力が将来のLNG火力発電所建設を見込んで平成10〜11年に取得した土地で、関係者以外立ち入れない。現在は地盤改良中で土地は利用しておらず、電柱に電気は通っていないという。

 4月中旬、巣の様子を視察しようと、県や市の職員らが集まった。あいにくコウちゃんの姿は見えず、職員らは関電職員の説明を聞きながら、電柱の上の大きな巣を見上げ、写真を撮ったり大きさを測ったりした。

 巣は小枝などで作られ、横の一片が約4メートル。同行した和歌山県立自然博物館の岩本二郎学芸員は、巣の下に落ちている枝などを見て「人間が刈ったものを拾ってきたようだ」と分析。「普通は田んぼの近くなどに巣を作るものだが。近くにエサも少ないだろうに」といい、「こんな都市部に巣を作るなんて、シティーボーイですね」と笑った。

 この日は敷地内の少し離れた場所に、もう一つ巣があることも分かった。最初の巣に比べると小さく、「作りかけてやめたのかもしれない」と岩本学芸員。

 豊岡市の「コウノトリの郷公園」によると、コウノトリは通常、カップルで巣作りを行うが、オス単体で作る例もあるという。

“失恋”から羽ばたけ

 実は、コウちゃんは視察の前日から、同園で姿が目撃されていた。ここにはメスもいることから、お嫁さん探しともみられたが、2週間ほどして和歌山市に戻ってきたコウちゃんに“彼女”を連れてきた様子はなかった。

 周辺住民らによると、25年から今年1月ごろまでは、和歌山でも何度かメスの姿が目撃されていた。メスは、京丹後市久美浜町生まれた「J0050」、通称「クミちゃん」。コウちゃんと同い年だ。

 豊岡市とその近辺以外でペアが生まれ、野生で繁殖した例は極めて少ない。「カップルが成立し繁殖すれば、最先端の事例になる」と関係者らの期待は膨らんだ。

 しかし1月以降、クミちゃんの姿はぱったりと見られなくなった。そして4月、京丹後市久美浜町の人工巣塔でクミちゃんが産卵したとの知らせが入った。お相手は国外からやってきたとみられる、足環のついていないオスだった。

 「どうやらクミちゃんには振られてしまったようだ」と肩を落とす関係者ら。通常、コウノトリの産卵期は5月ごろまでとされる。メスの飛来がないため、現時点でその兆候はうかがえないが、「ひとりで巣を作っただけ、大きな一歩」と話す関係者も。

 関電は「天然記念物なので、今は見守りたい」といい、和歌山県も「当面は動向を見守る」としている。

 周囲をやきもきさせるコウちゃん。「コウちゃんのおかげで毎日が楽しい」と口をそろえる見守り隊は、「来年こそお嫁さんを」と期待を込める。

http://www.sankei.com/west/news/160516/wst1605160003-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/160516/wst1605160003-n2.html
http://www.sankei.com/west/news/160516/wst1605160003-n3.html
http://www.sankei.com/west/news/160516/wst1605160003-n4.html

ttp://archive.is/LgdHw
ttp://archive.is/0acVA
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ttp://archive.is/sVwm1
コウノトリ 電柱に営巣◇お相手いまだ見つからないが…紀の川河口埋め立て地【YOMIURI ONLINE2016年4月21日】

タグ:コウノトリ
posted by BNJ at 11:43 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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