2016年05月16日

支局長からの手紙 ツバメのいる風景 /島根【毎日新聞2016年5月16日】

昨年かえったツバメのひな=松江市内で2015年6月6日、谷由美子撮影
 目の前をぴゅーっと横切られ、「ああ、一年が巡ってきたなあ」と感じます。そうです、ツバメがやって来る季節です。松江に住み、四季の移り変わりを感じる機会が増えました。

 自宅のあるマンションの駐車場にツバメの巣があります。コンクリート壁の天井近く、換気口の上におわんのようにかかっています。昨年も同じ巣で、ひなが育ちました。朝晩、様子を見るのを楽しみにしていたところ、今年もやって来ました。

 日本野鳥の会は、2013〜15年に実施した「ツバメの子育て状況調査」結果を愛鳥週間(10〜16日)に合わせて発表しました。県内を含む全国796市区町村の延べ2506人が協力し、5115巣の観察情報が寄せられました。

 それによると、都市部が郊外や農村部に比べ、子育てに厳しい環境になっています。繁殖失敗率は都市部が23・0%と郊外・農村部(19・8%)より高い。失敗原因をみると、巣を落としたり巣作りを妨げたりする「人」の行為が、都市部で10・6%を占め、郊外・農村部(1・5%)の7倍に上ります。フンが汚いなどの理由で、人が巣を落とすケースが増えていると考えられるそうです。虫などの餌を捕るのに適した環境が少ないという背景もあり、平均巣立ちひな数は、都市部が3・9羽と、郊外・農村部(4・3羽)より少ないとの結果も出ています。

 会によると、ツバメが家の軒下などに巣を作るのは、人がいると、天敵のカラスやへびが寄りつかないからで、人にとっても、ツバメは害虫を食べてくれる「益鳥」です。ツバメは「人と自然の共存の象徴」だといいます。

 調査を担当する日本野鳥の会自然保護室の葉山政治室長に、松江のまちなかで見かけることが多い、と話すと「宍道湖や川、堀など水辺が多く環境が良いからでしょう」と言われました。

 出雲市のホシザキ野生生物研究所で鳥類を担当する森茂晃所長によると、東南アジアなどから日本に渡ってくる5種類のツバメのうち、県内には▽ツバメ▽コシアカツバメ▽イワツバメ−−の3種類が飛来します。道の駅などでは、巣の下にフンの受け皿を作り、人との共存を図っているそうです。「巣が落ちてしまったがどうしたらよいか」との相談を受け、カップ麺の容器で代用・補強する方法を助言することもあります。

 2年前、県内の観光案内所で巣が撤去され、新聞で報じたと支局員から聞きました。卵やひながいれば法律違反にもなります。野鳥の会が無料配布している、子育て見守りハンドブックには「フン受けの作り方」なども載っていますので、困っている方は参考にして巣を生かしてほしいと思います。

 松江支局の駐車場にも数年前からツバメの巣があり、昨年はひなが観察できました。ツバメが巣をかけると商売繁盛とか、幸福が訪れるとの言い伝えもあるので、心待ちにしているのですが……。【松江支局長 谷由美子】
http://mainichi.jp/articles/20160516/ddl/k32/070/246000c

ttp://archive.is/c5lSe

posted by BNJ at 21:39 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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