2016年05月18日

大阪)廃棄物処分地が「野鳥の楽園」に 134種を確認【朝日新聞デジタル2016年5月18日】(チュウヒ/コアジサシほか)

大阪湾にある埋め立て処分地=2008年、堺市西区

 大阪湾にある廃棄物と土砂の埋め立て処分地(堺市西区)に10年間で134種の鳥が飛来していたことが、日本野鳥の会の調査で分かった。鳥が運んだ多様な植物が自生し、幅広い種が生息しやすい環境が生まれたとみられる。これまで確認できた猛禽(もうきん)類チュウヒなどは太陽光パネルの設置後は繁殖しないなど、新たな課題も見えてきた。

 この処分地は1974〜2006年、約5千万トンの廃棄物と土砂で海を埋めて造成した。阪神甲子園球場の約70倍の広さがあり、3カ所の管理池や標高約25メートルの山、森や草原もある。府が管理し、敷地の9割は許可がないと入れない。

 日本野鳥の会大阪支部(大阪市)は06年から調査を開始。府の許可を得て17日も、メンバー6人で野鳥を観察し、ミサゴなど28種類の野鳥を確認した。

 同会の08年までの調査では、コアジサシやセイタカシギなど絶滅危惧種9種を含む101種の飛来を確認。その後の16年3月までの調査でさらにホオジロガモやミコアイサ、ヨシゴイなど33種を確認し、累計で134種が飛来した。

 多くの鳥が飛来する理由の一つとして、自然環境の多様性がある。鳥が食べ、ふんとして排出された植物の種が処分地内で自生し、生き物が住みやすい環境になったという。同会が外来種の高木を伐採して湿地と草地の環境を維持し、府が植樹を進めていることも要因と考えられる。鳥のエサとなる生き物も豊富で、バッタやトンボなど昆虫類は50種を超える。

 同会が処分地の調査を始めたきっかけは、06年に湿原の生態系の頂点に立ち、絶滅が心配されるチュウヒを近くで確認したことだった。06〜09年はヒナが4羽巣立ったが、堺市と関西電力が09年11月に大規模な太陽光パネルの設置工事を始めてから確認されていない。同会はチュウヒの営巣地にもパネルが造られ、エサを取る場所が減ったことなどが関係したとみる。

 堺市は取材に「因果関係は分からない。環境との調和を図りながら施策の推進に努めたい」。関西電力は「今後、因果関係が明らかになれば、調査の実施など対応について検討したい」とコメントした。

 環境省の14年の資料によると、繁殖可能なチュウヒのつがいは全国で約90と推測される。同会大阪支部幹事の清水俊雄さん(76)=堺市南区=は「この埋め立て地は大阪湾の周辺で最大規模の湿原・草原。チュウヒの生息は草原の生態系が維持されていることを示す。チュウヒが繁殖し、多くの鳥が飛来するよう工夫が必要だ」と話した。(村上潤治)
http://www.asahi.com/articles/ASJ5J76MFJ5JPPTB00M.html

ttp://archive.is/fANIe

posted by BNJ at 11:57 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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