2016年05月26日

長良川鵜飼 全鵜舟、救命胴衣装備へ 船頭遭難受け 「安全第一で」 /岐阜【毎日新聞2016年5月26日】(既報関連ソースあり)

事故を受け、船頭を対象に開かれた安全講習会=岐阜市の鵜飼観覧船待合所で
 岐阜市の長良川で、「ぎふ長良川鵜飼(うかい)」の鵜舟の船頭が川に流され、25日に遺体で発見された事故を受け、同鵜飼の鵜匠代表、山下純司鵜匠(77)は同日、全ての鵜舟に救命胴衣を装備する方針を明らかにした。乗客を乗せる鵜飼観覧船については国の規定に基づき救命胴衣の装備が義務付けられているが、鵜匠と船頭のみが乗船する鵜舟を巡ってはこれまで法的規制はなく、鵜匠の裁量で決めていた。【野村阿悠子】

 事故は23日午後9時前、鵜舟の船頭の山田勇二さん(73)が、鵜飼中にはぐれた鵜1羽を鵜舟で捜索していた際に発生。山田さんは舟の近くで鵜を発見し、捕まえようと川に飛び込んで流されたとみられる。当時鵜舟には鵜匠と他の船頭の計4人が乗っていたが、いずれも救命胴衣は着けておらず、舟にも装備していなかった。山田さんの親族の男性(43)は「(山田さんは)泳ぎが苦手だった。もしもの場合に備え、舟に救命胴衣を積んでおくべきだった」と憤りをあらわにした。

 毎日新聞の調べによると、全国10カ所の鵜飼のうち、すでに鵜舟に救命胴衣を装備しているのはわずか2カ所。装備していない鵜飼の関係者からは「長い歴史の中で救命胴衣は一度も装備していない」「膝丈ほどの水深で流れも穏やかなので必要ない」などの理由が聞かれた。一方、装備している嵐山の鵜飼(京都市)の関係者は「川は穏やかで浅いが、それでも安全のために装備している」と話した。

 国土交通省は現在、20トン未満の小型船で甲板が屋根などで覆われていないものについては、乗員全員が救命胴衣を着用するよう義務づけるよう検討に入っており、今年7月にも省令を制定する予定。施行は約1年後を見込んでいるが、「省令が制定されれば、鵜飼の鵜舟も対象となる」としている。

 一方、文化財を所管する文化庁の担当者は「歴史ある衣装に救命胴衣が合わないこともあるだろうが、安全のために決まりができるなら仕方がない。着物の下に着用するなど工夫してほしい」と話した。

 ぎふ長良川鵜飼の山下鵜匠は「今回の事故を機に、安全対策の意識を全員でさらに徹底していく。救命胴衣を乗せるのはそう難しいことではない」と話す。自身は鵜飼中に救命胴衣を着用することも検討するとし「着物の下に着れば見た目も悪くない。伝統の技を楽しんでもらうため、安全第一でやっていきたい」と話した。

緊急時対応確認、船頭対象に講習 鵜飼観覧船事務所
 今回の事故を受け、「ぎふ長良川鵜飼」の鵜飼観覧船を運航している鵜飼観覧船事務所(岐阜市)は25日、船頭を対象にした安全講習会を開き、緊急時の安全確保の徹底を確認した。

 講習会には乗客を乗せる観覧船、鵜匠が乗る鵜舟のそれぞれの船頭計約80人が参加した。同事務所の安全統括管理者、杉原明さん(54)は「お客さんに安全安心な鵜飼観覧を提供するということを忘れないでほしい」と説明。緊急時の無線での速やかな報告や運航前の船体点検など国土交通省の通達に基づく安全運航の確保の徹底を呼びかけた。【沼田亮】

鵜飼漁における鵜舟への救命胴衣の装備状況
・ぎふ長良川鵜飼  (岐阜市)    事故受け装備へ

・小瀬鵜飼     (関市)     装備なし

・木曽川うかい   (愛知・犬山市) 装備あり

・宇治川の鵜飼   (京都・宇治市) 装備なし

・嵐山の鵜飼    (京都市)    装備あり

・三次の鵜飼    (広島・三次市) 装備なし

・岩国 錦帯橋う飼 (山口・岩国市) 装備なし

・大洲のうかい   (愛媛・大洲市) 装備なし

・日田温泉 鵜飼い (大分・日田市) 装備なし

・筑後川鵜飼い   (福岡・朝倉市) 装備なし

 ※山梨・笛吹市の「笛吹川 石和鵜飼」は鵜舟は使用せず
http://mainichi.jp/articles/20160526/ddl/k21/040/034000c

ttp://archive.is/UDRRa
ぎふ長良川鵜飼 不明の鵜舟船頭、遺体で発見【毎日新聞2016年5月25日】
鵜飼い船頭 流され不明 長良川【読売新聞2016年5月25日】
ニュース交差点 地域 かがり火の下の妙技 岐阜・長良川で鵜飼い漁始まる 毎日小学生新聞【毎日新聞2016年5月13日】
長良川鵜飼が開幕 無線LANなど外国人向け対応も【日本経済新聞2016年5月12日】

posted by BNJ at 22:53 | Comment(0) | 鳥獣狩猟ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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