2016年06月18日

熊本地震 城南養鶏場に苦境 水道管破損、3万羽廃鶏 /長野【毎日新聞2016年6月18日】(既報1ソース)

空になったケージを見つめる緒方一成さん
 熊本地震で被災した城南養鶏場(熊本市南区城南町阿高)が苦境に立たされている。鶏に水を与える給水装置の水道管が破損して、12万羽のうち4分の1にあたる約3万羽を廃鶏にした。昨年8月の台風15号では鶏舎90棟のうち2棟が損壊し、今年1月の大寒波では水道管約1600本のうち約800本が凍結して破裂した。経営者の緒方一成さん(34)は「去年から何度も苦境に立たされ、地震で追い打ちをかけられた」と相次ぐ試練に声を落とした。【安元久美子】

修理費算出できず「先の見えない不安」
 4月16日の本震で、広さ約24ヘクタールの養鶏場は高さ約4メートルの餌を入れたタンクは倒れ、鶏を入れるケージは大きくゆがみ、給水装置が破損して約半分の鶏舎で給水できなくなった。じょうろで水を与えたが、熊本県御船町と同県甲佐町から通う従業員2人は自宅が被災して出勤できず、人手不足に苦しんだ。鶏が死ぬと産業廃棄物扱いになって費用がかかるため、約3万羽は加工肉などに使う業者に引き渡した。その後も余震が1500回以上も続く中、残った鶏も餌を食べる量が減り、毎日6トン出荷していた卵は同4トンに落ち込んでいる。

 一番の課題は修理費だ。修理中のため被害額は算出できないが、最低でも約1億円はかかる見込み。5月中旬に完成予定だった鶏舎2棟はコンクリートの床に大きなひびが入り、壁は波を打つ。建て直す費用は1棟7000万円だが、鶏舎2棟で15年のローンを既に組んでおり、「建て直すとさらに10年のローンを組まなければならない」と頭を抱える。南区役所に鶏舎の罹災(りさい)証明を申し込み、固定資産税の減額を希望するが発行時期は未定だ。

 今は梅雨に備えて排水路の工事を進める。地震で地盤が緩んでいるため土砂崩れなど2次被害の危険性があるからだ。「終わりのない、見えない不安がある。それでも生き物を扱っているので手を止めることはできない」。養鶏業3代目の緒方さんはこう吐露した。

行政は迅速な対応を
 5月8日から10日間、熊本地震の被災地で、主に農業への打撃について取材した。生活の場である住宅に加え、生産拠点の農業施設にまで壊滅的な被害を受けた被災者は多い。熊本県のまとめでは、農林水産業の被害は5月13日現在、1345億円と推計され、被害はさらに増える可能性もある。

 熊本市東区の農業、加納義之さん(68)は自宅の基礎に亀裂が入り、妻と娘と共に敷地内にある農機具小屋で生活していた。コンクリートの床にベッドマットを二つ並べ、小屋のシャッターには板を挟んで逃げる隙間(すきま)を確保していた。

 キュウリ栽培用のハウスは支柱が折れるなどした。給水施設も壊れ、ハウス内のキュウリに水がまけないまま、ほとんどが枯れてしまった。売り上げは例年の3割減だ。余震が収まったので自宅に戻ったが、ハウスの復旧は手つかずだ。それでも「来年に向けて土作りに取りかかろう」とあきらめてはいない。

 加納さんに紹介されたのが城南養鶏場の緒方一成さんだった。台風や寒波被害を乗り越えた末の今回の地震。本震の直後、鶏にじょうろで水をやったが手が回らなくなり1週間後、全体の4分の1の約3万羽を、廃鶏業者に1羽30〜40円で引き渡した。「死ぬと産業廃棄物になって処理費用がかさむ。苦渋の決断だった」。ゆがんだケージ、床に散らばった羽毛。地震前は元気な鳴き声が鶏舎内に響いていたのだろうと思うと、気持ちが沈んだ。

 余震が続く中、誰もが自分や家族の生活について考えるので精いっぱいのはずだ。この先の生活をどう維持していこうか、落ち着いて考えたいと思うだろう。しかし、農産物や家畜は待ってはくれない。緒方さんは今月になってようやく、罹災(りさい)証明を手にしたが、復旧は緒に就いたばかり。被災を機に離農する人を少しでも減らすため、行政には迅速な対応が求められている。【安元久美子】
http://mainichi.jp/articles/20160618/ddl/k20/040/101000c

城南養鶏場 相次ぐ試練 地震で給水破損、3万羽廃鶏 昨年台風で鶏舎2棟損壊/冬には水道管800本破裂 /熊本【毎日新聞2016年5月27日】
 熊本地震で被災した城南養鶏場(熊本市南区城南町阿高)が苦境に立たされている。鶏に水を与える給水装置の水道管が破損して、12万羽のうち4分の1にあたる約3万羽を廃鶏にした。昨年8月の台風15号では鶏舎90棟のうち2棟が損壊し、今年1月の大寒波では水道管約1600本のうち約800本が凍結して破裂した。経営者の緒方一成さん(34)は「去年から何度も苦境に立たされ、熊本地震で追い打ちをかけられた」と相次ぐ試練に声を落とした。【安元久美子】

 4月16日の本震で、広さ約24ヘクタールの養鶏場は高さ約4メートルの餌を入れたタンクは倒れ、鶏を入れるケージは大きくゆがみ、給水装置が破損して約半分の鶏舎で給水できなくなった。じょうろで水を与えたが、御船町と甲佐町から通う従業員2人は自宅が被災して出勤できず、人手不足に苦しんだ。鶏が死ぬと産業廃棄物扱いになって費用がかかるため、約3万羽は加工肉などに使う業者に引き渡した。その後も余震が1500回以上も続く中、残った鶏も餌を食べる量が減り、毎日6トン出荷していた卵は同4トンに落ち込んでいる。

 一番の課題は修理費だ。修理中のため被害額は算出できないが、最低でも約1億円はかかる見込み。5月中旬に完成予定だった鶏舎2棟はコンクリートの床に大きなひびが入り、壁は波を打つ。建て直す費用は1棟7000万円だが、鶏舎2棟で15年のローンを既に組んでおり、「建て直すと更に10年のローンを組まなければならない」と頭を抱える。南区役所に鶏舎の罹(り)災証明を申し込み、固定資産税の減額を希望するが発行時期は未定だ。

 今は梅雨に備えて排水路の工事を進める。地震で地盤が緩んでいるため土砂崩れなど2次被害の危険性があるからだ。「終わりのない、見えない不安がある。それでも生き物を扱っているので手を止めることはできない」。養鶏業3代目の緒方さんはこう吐露した。
http://mainichi.jp/articles/20160527/ddl/k43/020/335000c

http://archive.is/LGRhz
http://archive.is/UHRiv
熊本地震 畜産物、畜舎・機器など被害 鶏の死亡やとう汰は54万羽【鶏鳴新聞2016年5月15日】

posted by BNJ at 23:28 | Comment(0) | 養鶏畜産ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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