2016年06月10日

岡山・瀬戸内の錦海塩田跡地 生まれ変わる 自然と共生、メガソーラー チュウヒ羽ばたく湿原、守れ【毎日新聞2016年6月10日】(既報関連ソースあり)

絶滅危惧種保護へ、環境生かし整備
 国内最大級のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設が進められている瀬戸内市の錦海塩田跡地に、自然との共生を目指して特別に区画して整備した自然保護エリア「ハビタット(生息地)」が完成した。跡地内の良質な湿原を守り、生態系の保全につながる取り組みで、跡地に生息し、絶滅危惧種に指定されるタカの仲間、チュウヒの保護が主な狙い。メガソーラーと併せて、環境に配慮した広大な跡地の活用が実現しそうだ。【瀬谷健介】

 跡地では1959年に製塩事業が始まったが、71年に終了した。その後、雨水と海水が混じる塩性湿地やヨシ原、小川、木々などが広がる自然環境が形成されていった。希少種が多く生息する湿地は、環境省の「日本の重要湿地」にも選ばれている。

 2010年に市が土地を取得すると、メガソーラーを整備する事業者を募集した。名乗りを上げたのが、くにうみアセットマネジメント(東京都)や東洋エンジニアリング(千葉県)など4社が出資する特別目的会社「瀬戸内Kirei未来創り合同会社」(同市邑久町尻海)だった。

 市内の企業を含む約200社が関わる一大プロジェクトとして14年10月から約500ヘクタールの跡地のうちの約265ヘクタールで、メガソーラーの整備を進めている。敷地内に約89万枚のパネルを設置する計画で、19年春の操業開始を目標にする。完成後は、発電した全量を中国電力に売電する。

 年間発電量は約26万メガワット時を想定し、一般家庭約7万世帯分の消費電力に相当する。瀬戸内市のCO2(二酸化炭素)総排出量の約半分に当たる年間約19万2000トンの削減効果を見込むという。

16ヘクタールに生息地「ハビタット」
 広大で、良質な湿地がある跡地をすみかにする動物がいた。それが、チュウヒだ。環境省によると、チュウヒは国内では、湿原に生息、繁殖する唯一の猛きん類で、湿地に豊かな生態系が維持されているのが、繁殖条件だという。だが近年、湿地の開発や植生の変化で、繁殖地や越冬の際のねぐらが減るのに伴って個体数も減少。近い将来、絶滅の危険性が高い種として、「絶滅危惧1B類」の指定を受ける。

 チュウヒ保護のためのハビタットは塩性湿地帯のうち約16ヘクタールを予定し、約400メートル四方に区切られている。瀬戸内Kirei社と県、市が締結した自然保護協定に基づき昨年夏に整備が始まり、今年1月下旬に完成した。

 自然の力を最大限生かしながら、人の手を加える建築手法「エコロジカルランドスケープ」を採用。湿地帯にあるヨシ原の水辺環境を残し、元々あった小川や木々などを活用することで、餌となる小鳥やネズミなどの小動物が生息しやすい環境を生み出し、チュウヒが継続的に捕食できるようにする。

 小鳥や小動物が隠れやすく、多様な水生植物が育つよう、既存の小川を生かし、人工的に水深に変化をもたせた総延長3〜4キロの小川を入り組ませた。さらに、ネズミなど小動物が集まるようにと、新たにアキグミやコナラなど約800本の苗木を植えた。

 また、ネズミの隠れ家用に、木や石を組んで作ったロッジも点在させる。内部の空間に、ネズミはドングリなどの餌をため込むといい、専門家らの意見も聞き、チュウヒの餌をおびき寄せる仕掛けを用意した。

 ハビタットは現在、自然の力に任せた状態にしている。4〜6月のチュウヒの繁殖期には付近でメガソーラーの工事を進めないなどの配慮も。数年後には、チュウヒやその他の野生生物にとっての“楽園”が生まれると期待が高まる。

 人間への警戒意識が強いチュウヒのために一般には非公開だが、年1、2回程度の自然観察会を開催できないか検討しているという。瀬戸内Kirei社の代表企業であるくにうみアセットマネジメントの斎藤信子執行役員は「チュウヒの個体数の増加につながると信じている。メガソーラーの整備も含めて地球環境に優しい取り組みを進め、今後も環境保全に努めていきたい」と話している。
http://mainichi.jp/articles/20160610/ddn/010/040/026000c

http://archive.is/q7zli
瀬戸内市錦海塩田跡地メガソーラープロジェクト〜メガソーラーと自然との共生を目指す「錦海ハビタット」完成〜くにうみアセットマネジメント株式会社【プレスリリース2016年2月1日】

posted by BNJ at 22:35 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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