2016年06月12日

北海道)タンチョウ被害、懸念の声 共存への理解模索【朝日新聞デジタル2016年6月12日】

刈り取りを終えた飼料用トウモロコシ畑で落ちた実を探すタンチョウ=鶴居村

 国の特別天然記念物タンチョウによる農業被害を心配する声が出ている。被害額は年数百万円だが、釧路湿原を中心に釧路地域は過密状態で、畑作地帯の十勝地域などへ繁殖地が広がっているためだ。共存への理解を「新天地」へどう広げていくか、今後の保護増殖のカギになりそうだ。

 道によると、タンチョウによる農業被害は2008年度〜14年度の7年間で計約3400万円。牧草や飼料用トウモロコシを発酵させる覆いのシートに穴を開けたり、牛舎に入って餌を盗み食いしたりするほか、釧路や十勝の畑作地帯では畑の踏み荒らしやトウモロコシ、麦、豆などの食害も出ている。

 被害額は農家からの申告を市町村がまとめ、道に報告している。地域や農家によって被害の受け止め方に温度差があり、必ずしも実態を表しているわけではないが、十勝地域が9割以上を占めているのが特徴的だ。00年前後から釧路地域からの分散が進み、十勝地域に多く移動・定着していることが背景にあるようだ。

 タンチョウは釧路地域を中心に1500羽余りが確認されているが、全道に生息域を拡大しても開発などで湿原が減り、現在、道内で生息できるのは2千〜3千羽とされる。だが、感染症や環境変化などで一気に減少に転じる危険性がある。環境省は共存への理解を得るため、十勝地域で研究者らを招いたシンポジウムや農家への意識調査もしてきた。

 農業被害は釧路地域でも湿原周辺などで問題になっているが、十勝地域では「新しい問題」だ。さらに日本海側へ飛来が増えれば畑作だけでなく、水稲被害も考えられる。新たなタンチョウの受け皿になるような場所では、農業被害への対策が必要だ。

 だが、国の特別天然記念物でも追い払いはできるものの広大な畑では容易ではなく、カラスやスズメ、渡り鳥と同じように抜本的な解決策はない。一方で都市部周辺では人が興味本位に近づきすぎ、子育てなどに影響を及ぼすことも心配される。こうした中で、研究者らは「タンチョウが安心して暮らせるように、どう環境づくりをしていくかが重要だ」という。

 環境省釧路自然環境事務所は「今年度はリーフレットなどで正しいタンチョウとの付き合い方を知ってもらい、共存への理解を広めていきたい」と話している。(奈良山雅俊)
http://www.asahi.com/articles/ASJ673VD1J67IIPE00G.html

http://archive.is/fXs7b

posted by BNJ at 11:43 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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