2016年06月15日

ペンギンのひな3羽が世界初? 人工授精ベビーか 大阪【朝日新聞デジタル2016年6月15日】(既報関連ソースあり)

人工授精を試みたメスのミナミイワトビペンギンとひな=11日午前、大阪市港区、加藤諒撮影

 3羽のひなが注目を集めている。海遊館(大阪市港区)で今月上旬に生まれたミナミイワトビペンギン。5年前から取り組む人工授精によって孵化(ふか)した可能性があるという。そうであれば、世界初の快挙。DNA型鑑定の結果は、今月末にも判明する。

 展示スペース前に、修学旅行生や親子連れなど、20人ほどの人だかりができていた。10日午前。母ペンギンの足の間から、首を左右に振りながら灰色のひながちょこんと顔を出す。

 「かわいい〜!」。一斉に声が上がった。

■5年前から挑戦

 日本動物園水族館協会(JAZA)によると、協会に加盟する国内の動物園・水族館で飼育しているミナミイワトビペンギンは111羽(2014年12月末現在)。海遊館は1990年から飼育を始めた。今はひな3羽に加え、成鳥はオス13羽とメス7羽の計20羽。ひなは2008〜10年に交尾で計5羽生まれたが、それ以降は誕生していなかった。

 そこで個体数を維持する目的などから、保全繁殖が専門の神戸大大学院の楠比呂志(くすのきひろし)准教授とタッグを組み、11年4月から人工授精に取り組んできた。

 ログイン前の続きまずメスに精液を注入するタイミングを探ることからスタート。繁殖期の3〜5月、展示室内に監視カメラを置いて、飼育員の林成幸さん(31)らが交尾行動を24時間態勢で観察した。

 週2〜3回の血液検査も始めた。1人がメスペンギンを抱きかかえ、もう1人が注射針で採血する作業を重ね、獣医師の伊藤このみさん(34)が血液のデータを蓄積していった。3〜5月は、卵の殻をつくるカルシウムの値などが血中で高まることが確認できた。

 ミナミイワトビペンギンは通常、日を空けて二つの卵を産む。1卵目は無精卵のことが多く、1卵目の産卵予定日の10〜15日前に精液を注入すれば、2卵目で受精卵が生まれる可能性が高くなる傾向がわかった。

 採血のため、ペンギンを捕まえ続けてきた林さんの両手首は傷だらけ。「意外と暴れるので、生傷が絶えないです」と苦笑する。

 ペンギンの担当飼育員をしていたこともある伊藤さんは「ペンギンに負担をかけたくない。でもデータは必要。飼育員と獣医師という立場の違いで悩んだこともあった」と振り返る。

■夢にも出たペンギン

 飼育環境も見直した。

 当初、展示室の照明時間は開館時間に合わせていた。これをカーテンなどで調節し、水槽内に四季のような環境を作り出した。

 オスからの精液の採取法も独自で考案。ペンギンは、おしっこもフンも精液も出口は同じだ。フンと精液が混ざらないよう、後ろ脚を曲げたペンギンをひざの上で固定。指で排泄(はいせつ)口を刺激しながら精液を採取した。

 えさのカラフトシシャモにビタミン剤を仕込み、栄養面での強化も図った。しかし、この5年、ひなの誕生にはつながらなかった。

 毎年繁殖期になると、林さんの夢にペンギンが現れた。何もしていないのに卵が突然割れていたり、人工繁殖に失敗したりした時は、水槽に突然ひなが現れる夢を見て、はっと目が覚めた。「自分の不安な気持ちの表れだと思う。結果が残らず、苦しかった」

 今年、東京都江戸川区の葛西臨海水族園に協力を求めた。これまで海遊館のペンギンで人工授精に取り組んできたが、高齢化に伴い、東京の若いオス8羽から精液を採取。新幹線で運び、海遊館のメス3羽に注入した。7回の人工授精の後、4〜5月に卵5個が生まれ、今月4〜6日に、3羽がかえった。

 現在、卵の殻についた血液のDNA型を鑑定中。父親が東京のペンギンと分かれば人工授精の成功となる。早ければ今月下旬にも結果が判明する。

 伊藤さんは「ひなが誕生したことがまず喜び。結果がついてくれば、さらにうれしい」。林さんは「お客さんに毎年かわいい赤ちゃんを見てもらえるようになるかも」と期待する。

 来館者の期待も高まる。

 年間パスポートを持つ大阪府高槻市の主婦西村美幸さん(37)は、長男(3)と次女(2)と、生まれて初めてペンギンのひなを見た。「こうやって毎年ほわほわのひなを見られたらうれしい。ちょくちょく来て成長を見守りたい」(半田尚子)

     ◇

 〈ミナミイワトビペンギン〉 南大西洋のフォークランド諸島などに生息する。眉毛のような黄色い飾り羽根が特徴。成鳥は40センチほどでペンギンでは小型の部類に入る。岩の間をジャンプしながら移動する姿が名前の由来となった。国際自然保護連合(IUCN、本部・スイス)によると、レッドリストで「絶滅危惧U類」(絶滅の危険が増大している種)に指定されている。

http://www.asahi.com/articles/ASJ6B6TDHJ6BPTIL02K.html

http://archive.is/e3LQX
ニュース交差点 ぴよぴよNEWS ミナミイワトビペンギン ひな3羽、6年ぶりにふ化 大阪 毎日小学生新聞【毎日新聞2016年6月8日】
ミナミイワトビペンギン ひな3羽6年ぶりふ化 海遊館【毎日新聞2016年6月6日】

フンボルトペンギン凍結精子で人工授精…世界初【読売新聞2016年5月25日】海響館/フンボルトペンギン/他3ソース/既報1ソース/既報関連ソース多数)

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