2016年06月18日

(関西食百景)ここだけの話―6月18日配信【朝日新聞デジタル2016年6月18日】

早朝、鶏舎から出された大和肉鶏。暗い鶏舎から急に明るいところへ出たためおとなしくなってしまった=奈良市阪原町、遠藤真梨撮影

出荷のため、一羽ずつ絞められていく大和肉鶏。鶏たちはじっとカゴの中でおとなしくしていた=奈良市阪原町、遠藤真梨撮影

■(取材余話)「奈良にうまいもんなし」の噂を検証

 今回の取材で、鶏をしめる作業を初めてみた。ナイフを持った養鶏家の中家雅人さん(36)の動きに、ちゅうちょはない。一言も話さず、作業は淡々と続いた。首の脈を切られた鶏がばたばたとする姿は残酷に映った。

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 弟の智さん(30)も「最初はつらかった」と話す。「だけど自分で育てて自分でしめる。命のありがたみに触れられる仕事だと気づいた」。兄と2人で、約7千羽の鶏の世話に精を出している。

 1982年に生産が始まった大和肉鶏。生みの親、奈良県畜産試験場(現・県畜産技術センター)の元研究員の甲斐博文さん(76)に取材を申し込むと、最初は「30年以上前でほとんど覚えていないよ」。だが、自宅で話を伺うと、次第に口調は熱を帯びた。

 学生時代は、信州大で鶏の畜産を専攻したほどの鶏好き。大和肉鶏の開発は、予算や上司への報告は二の次で1人で進めた。次第に仲間が増え、「全国に誇れる奈良のうまいもんを作ろう」と励まし合ったという。

 甲斐さん宅の食卓には、今もよく鶏が並ぶという。大和肉鶏は食べていますかと聞くと、「値段が高くて4、5年は食べてないよ。久しぶりに食べてみたいなぁ」。懐かしそうな笑顔が印象的だった。

 今でこそ、デパ地下などで手に入る大和肉鶏だが、生産当初の販路開拓は難しかったという。

 当時、販売を担ったのが県内で飼料販売をしていた出口清一さん(78)。たまたま立ち寄った県畜産試験場で大和肉鶏を食べて感激。「おれが売ったるわ」と、販売を請け負った。

 時代はブロイラーの全盛期。大和肉鶏は価格が高く、知名度も低いためなかなか売れなかった。

 だが、84年の奈良国体で、選手宿舎に提供したところ、うまいと火がつき、東京のデパートにも並んだ。徐々に出荷数も増えた。現在、大和肉鶏農業協同組合長を務める出口さんは、「一度食べればリピーターになる味なんよ」と話す。

   □     □

 昨年9月、東京から大阪に赴任した。初めての関西で、食のおいしさを発見する日々だが、「奈良にうまいもんなし」と耳にした。本当だろうか。そんな疑問から、奈良の食材をテーマに選んだ。

 きもやササミのお造りに、むねのカツレツ、ももの薫製や炊き込みごはん、鶏ガラを煮込んだ白湯スープのラーメン……。大和肉鶏を使う様々な料理を食べて分かった。

 みなさん、奈良にうまいもんはあります。一度食べれば忘れない大和鶏肉が。(石倉徹也)

■挑戦してみては?

 家庭でもできる大和肉鶏の「むね肉のカツレツ」のレシピを、奈良県天理市の「すぎ乃」店長、木村浩章さん(41)に教えてもらいました。

【材料】(2人前)

大和肉鶏のむね肉 2枚

塩 適量

こしょう 適量

小麦粉 適量

卵 1個

油 適量

【作り方】

@肉を冷蔵庫から出し、常温で30分ほど置く。肉の温度を中まで均一にし、熱を通りやすくするため。

A肉に塩コショウをし、小麦粉と卵をつけ、パン粉をまぶす。

B約180度の油の中で揚げる。

C約1分半で取り出して皿にのせ、余熱でじっくり熱を通す。ふたをかぶせたり、アルミホイルで包んだりしてもいい。

D5分ほどで完成。

 包丁で切れば、肉質が縮まずふわふわしたカツレツができあがる。

 木村さんによると、肉に熱を通すことを心配し、3〜4分揚げると肉質がパサついてしまうので注意。「大和肉鶏は、肉自体に味があるので、シンプルな味付けで楽しめる。余計な味付けの変化球はいらない」。味にくせが少ないため、焼いたり、揚げたり、蒸したり……どんな料理にも合うという。
http://www.asahi.com/articles/ASJ674F1LJ67PLBJ005.html

http://archive.is/yBetD
(関西食百景)交配実り ええとこドリ【朝日新聞デジタル2016年6月18日】

タグ:大和肉鶏
posted by BNJ at 23:22 | Comment(0) | 養鶏畜産ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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