2016年07月08日

父鳥から歌学ぶ鳥の細胞発見 ヒトが言葉を覚える手掛かりに OIST柳原氏ら研究【琉球新報2016年7月8日】(既報3ソース)

キンカチョウの家族。右から父鳥、母鳥、幼鳥(OIST提供)
 沖縄科学技術大学院大学(OIST)臨界期の神経メカニズム研究ユニットの柳原真研究員と矢崎―杉山陽子准教授はこのほど、幼鳥が親鳥の歌を学ぶ際に、歌の記憶を担う神経細胞が脳内に現れることを突き止めた。聴くという経験が記憶として形成される仕組みの一端を明らかにしたもので、人間が言葉を覚える際の脳内の仕組みの解明にもつながるという。

 研究成果は6月22日に英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載された。

 研究にあたっては、歌を学習するソングバードの一種、キンカチョウの親子を用いた。キンカチョウの幼鳥は、父鳥の歌を聴いて覚え、繰り返し練習することで父鳥の歌に似た自分の歌を歌えるようになる。柳原研究員らは、父鳥の歌を学習することで幼鳥の脳内のどこで、どのように記憶が形成されるかを調べた。

研究結果について会見する(右から)柳原真研究員、矢崎―杉山陽子准教授=県庁
 柳原研究員らは聴覚情報を担う大脳聴覚野という領域に着目し、神経細胞の活動を計測した。父鳥の歌を聴いたことのない幼鳥の神経細胞はさまざまな歌に反応したが、父鳥の歌を学習した幼鳥では父鳥の歌にだけ強く反応する神経細胞が発見された。父鳥の歌を学習することで、大脳聴覚野の神経細胞が変化し、聴いた歌の記憶を担う神経細胞が現れるという生理学的証拠を初めて示したことになるという。

 また、活動を抑制する神経伝達を遮断すると、覚えた父鳥の歌以外にも反応するようになり、柳原研究員は「記憶を担う細胞ができる過程では、抑制系の神経回路が重要な役割を果たすと考えられる」とした。

 研究成果について柳原研究員は「発達期の経験によって脳の神経回路が形成され組み変わっていく仕組みの解明につながる。子どもの脳が健やかに発達するための手掛かりが得られると考えている」と話した。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-312786.html

幼鳥の脳、親の歌だけ区別 沖縄の大学グループが解明【朝日新聞デジタル2016年7月5日】
キンカチョウの親子。左から幼鳥、父鳥、母鳥=沖縄科学技術大学院大提供
 歌を学習するキンカチョウという鳥が、親の歌だけを区別して覚える仕組みを沖縄科学技術大学院大学のグループが解明し、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。幼鳥は親の歌を聴いた後、脳内の聴覚を担う神経が他の歌に反応しなくなっていた。「聴く」経験が記憶され、学習につながることを脳の観察で実際に確かめた。

 キンカチョウのオスは、メスを引きつけるため個体ごとに違う歌をさえずる。それぞれの歌は子どもに引き継がれるが、詳しい仕組みは分かっていなかった。

 柳原真研究員(脳科学)らは、生後50日程度の幼鳥の脳に電極を埋め込み、スピーカーでいろいろな歌を聴かせた。

 ログイン前の続き聴覚を担う神経は最初、すべての歌に反応していたが、親の歌を聴いた後は他の歌に反応しなくなった。さらに、周囲からの情報伝達の影響を調べるため、親の歌を聴いた後に、神経活動を抑える情報伝達を薬で止めてみた。すると、聴覚を担う細胞は、再びすべての歌に反応するようになった。

 この結果から、幼鳥が親の歌を学習できるのは、聴いた歌を神経で記憶したうえで、他の歌に反応しないように神経活動を抑えているからだとわかった。柳原さんは「学習の仕組みの全容解明につなげたい」と話している。(野中良祐)
http://www.asahi.com/articles/ASJ7544S4J75ULBJ00B.html

【神経科学】鳥のニューロンはボイストレーナーのさえずりに応答する【natureasia.com2016年6月22日】
キンカチョウの幼鳥の脳内にある特定のニューロンは、チューターと呼ばれる成鳥(通常は父鳥)の歌(さえずり)に選択的に応答するが、他の成鳥の歌には応答しないという研究結果について説明する論文が掲載される。この結果は、鳥類の歌関連の記憶と早期学習の形成の基盤となる神経機構に関する手掛かりとなっている。

キンカチョウの幼鳥は、成鳥のチューターの歌を記憶し、正確に模倣することによって歌を歌えるようになることが知られている。この過程で必要なのは、幼鳥にとってのチューターの歌の特異的な記憶が形成されることだ。しかし、この記憶された歌に関連する神経活動パターンを示す直接的な証拠は見つかっていない。

caudomedial nidopallium(NCM)は、幼鳥の歌の学習に関係すると考えられている脳領域だが、今回、沖縄科学技術大学院大学の杉山(矢崎) 陽子(すぎやま(やざき)・ようこ)の研究チームは、20羽の雄のキンカチョウの幼鳥が歌を学習する前と歌を学習している際のNCMにおける神経活動と同齢のキンカチョウ(対照群)のNCMにおける神経活動を記録した。これらのキンカチョウには9種類の歌の刺激を与えて、NCMにおける神経応答を測定した。これらの歌の刺激には、同種の別の個体の歌や別の種の個体の歌が含まれていた。9種類の音刺激のうち、チューターの歌を聴いた後にわずかな数のニューロンの活動の上昇(いわゆる「発火」)が認められたが、その他の8種類の音刺激に対してはそのような応答が認められなかった。また、この研究チームは、9種類の歌の刺激を受けた後に歌の刺激に対する神経応答が全般的に増強し、この神経応答が神経回路(GABA作動性回路)と睡眠に依存していることも明らかにした。

こうした歌選択的ニューロンが他の脳領域と相互作用して鳥類の発達段階における歌学習を誘導する過程を明らかにするには、さらなる研究が役立つと考えられる。また、鳥類の歌システムを研究することで、ヒトの言語獲得に関する新たな知見が得られる可能性もある。
http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/10754

キンカチョウ 父子相伝 さえずりの秘密解明【毎日新聞2016年6月22日】
キンカチョウの親子。右から母親、父親、オスのひな=沖縄科学技術大学院大提供

大脳聴覚野の神経細胞の活動状態の変化。父親の歌声を聞いて学習したひなのグループは学習後、親鳥の歌のみに反応する神経細胞が生じた=沖縄科学技術大学院大提供
 キンカチョウのひながオスの求愛のさえずりを父親の歌声を聞いて覚える脳のメカニズムを、沖縄科学技術大学院大の柳原真・研究員(脳科学)らのチームが明らかにし、21日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズで発表した。ひなの大脳にある聴覚野の神経細胞の一部が、1週間ほどで父親の歌声のみに反応するように変わるという。

 チームは、ひなが自由に動ける状態のまま脳細胞の活動量を計測できる特殊な装置を使い、父親と一緒にいさせた20羽と、父親と離した5羽とで聴覚野の神経細胞の活動量を比べた。その結果、20羽のひなで、最初は他の鳥の鳴き声や雑音にも反応していた神経細胞のうち1割強が、父親の歌声を聞かせたときのみ活動するよう変化した。約1週間一緒にいさせれば変化は生じたという。一方、5羽の方ではそうした変化は起きなかった。

 キンカチョウは生後60日ごろまでに父親の歌を聞かせなければ上手に歌えなくなることが知られている。柳原研究員は「幼少時に脳に刻まれ記憶した父親の歌を手本に練習しているようだ。今後練習時の脳内の変化を調べたい」と話す。【須田桃子】
http://mainichi.jp/articles/20160622/k00/00m/040/130000c

http://archive.is/QjdMj
http://archive.is/mdZWQ
http://archive.is/shgF0
http://archive.is/rcAxO

posted by BNJ at 22:22 | Comment(0) | 愛玩鳥/飼い鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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