2016年06月23日

メガソーラー・トラブルシューティング 石落としだけじゃないカラスの悪戯、水道管の保護材が剥き出しに【日経テクノロジーオンライン2016年6月23日】

設置する向きや高さ、配置の工夫で被害を軽減

 太陽光発電所は、通常、無人であることが多い。しかし、自然豊かな国土を持つ日本では、発電所の周りにも、活発な小動物が生息している。人がいなければ恐れずに入ってくることもある。所内の設備などを損傷したり、悪影響を及ぼす場合がある。

 地上を動き回る生き物であれば、高めのフェンスで、ある程度の対策を打てる。しかし、空からやってくる鳥は、防ぎようがない。

 鳥によるトラブルとして、太陽光パネルに石を落としてカバーガラスを割ったり、カバーガラスの上に糞を落とすことが知られている。今回は、所内に導入した水道管が損傷した例を紹介する(図1)。


図1●水道管が露出
保護材がカラスに突かれ破損したとみられる(出所:日経BP)

 関東に立地する、あるメガソーラー(大規模太陽光発電所)では、発電設備の洗浄に水を使うことに備え、水道管を引いていた。運転開始から、間もなく、その水道管の保護材がなくなり、管がむき出しの状態まで露出してしまった部分が出てきた。

 幸いにも、その時点では、管そのものに損傷はなかったようだが、管がむき出しとなっていることから、何らかのきっかけで損傷し、水漏れなどが生じるリスクが高まったと言える。

 保護材は、樹脂材料による外装と、内側の発泡材からなる。この保護材が破れてなくなっていた。

 金属の保護材や、より硬い樹脂材料が使われている部分には、損傷はほぼ見られなかった。

 破損の原因は、カラスがクチバシで破ったためとみられる。地面に横たわるように設置され、容易にクチバシで突ける状況だった(図2)。


図2●容易にクチバシで突ける状況
広い場所に地面に横たわるように設置(出所:日経BP)

 同じような水道が、太陽光パネルを支える杭基礎に縛り付けて設置されている場所もある(図3)。しかし、こちらの水道では、保護材は損傷していない。


図3●近くにありながら損傷していない水道も
カラスが突きにくい配置となっている(出所:日経BP)

 こちらの水道管は地面に垂直に立ち、かつ、高さが低い。また、杭基礎と水道管の間の隙間がない上、水道管の前には、蛇口に取り付けた分岐用の器具があり、この器具と水道管の隙間も狭い。カラスにとっては、水道管の保護材を突きにくい設置方法となっている。

 このメガソーラーの西側には、大きな木が茂り、カラスの巣のようになっている(図4)。日中は頻繁に出入りし、その数は100羽を下らないようだった。

図4●西隣はカラスの巣
カラスが集団で頻繁に出入りする(出所:日経BP)

 メガソーラーの敷地には、人がいる時でさえカラスが飛び交い、一部はパネルの上や地面に降りている。こうした環境にあるため、クチバシで突きやすい樹脂製の保護材を突いたとみられている。

 今回は、水道管の保護材だったが、気象状況などを観測するためのセンサーなどの配線の保護材にも、樹脂材料が使われていることがある。

 設置の状況によっては、同じように鳥がクチバシで配線の被覆を破り、断線させてしまうことがある。このトラブルシューティングのコラムでも、日照計の配線を断線させた例を紹介した(トラブルシューティングの関連記事)。

 カラスが突きにくいような向きや高さ、位置などに工夫することで、ある程度、防げるトラブルと言える。

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/302961/062100022/
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/302961/062100022/?ST=pv&P=2
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/302961/062100022/?ST=pv&P=3

http://archive.is/9PxAN
http://archive.is/xnxYL
http://archive.is/1bwqT

posted by BNJ at 22:54 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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