2016年07月02日

質問なるほドリ 佐渡のトキは国内産?=回答・南茂芽育【毎日新聞2016年7月2日】

巣立ち間近の純野生のトキのひな=新潟県佐渡市で6月19日(新潟大学提供)
中国からの人工繁殖、環境省は由来区別せず
 なるほドリ 今春、新潟県佐渡(さど)市で「純野生」のトキのひなが生まれたね。

 記者 野生下(やせいか)で生まれ育ったトキ同士のペアからひなが生まれたのは40年ぶりのことでした。最終的にペア5組から9羽が生まれ、うち6羽が巣立(すだ)ちました。

 Q 日本のトキはいったん絶滅(ぜつめつ)したはずだけど、これで国内産が復活(ふっかつ)したわけだ。

 A 実はそれほど単純な話ではありません。トキはその名も「ニッポニア・ニッポン」の学名を持つ国の特別天然記念物(とくべつてんねんきねんぶつ)ですが、乱獲(らんかく)などで減り続け、最後の国内産だった「キン」も2003年に死にました。現在、佐渡の自然界(しぜんかい)に生息(せいそく)する約150羽は、全て1999年以降に中国から贈られるなどした5羽を元に人工繁殖(じんこうはんしょく)させてきた子孫なのです。

 Q 外来種(がいらいしゅ)ということになるのかな。

 A 研究者の中には、現在のトキは「外来種」だとして「生物の多様性(たようせい)を守るには他にやるべきことがある。なぜ特定の外来種の野生復帰に多額の費用をつぎ込むのか」と疑問を呈(てい)する人もいます。一方で環境省は、中国のトキと、かつて日本にいたトキは同一種で、遺伝子(いでんし)の違いはごく僅(わず)かなことから、どちらの国が由来なのかといった区別はしない立場を取っています。

 Q 巣立ったひなが順調に成長すれば、ついに悲願(ひがん)の「野生復帰」と言えるのかな。

 A 環境省は、人が関与(かんよ)せずに集団を維持(いじ)できる状態を野生復帰と考え「20年ごろまでに220羽を定着させる」と目標を掲げています。そのためには、中国から新たにトキを借りて遺伝的多様性を確保し、病気への抵抗(ていこう)力や繁殖力を高める努力も必要です。

 Q 「純野生」のひなが独り立ちして美しい朱鷺(とき)色の羽を広げて飛ぶのを早く見たいな。

 A かつてのように各地でその姿を見られる日を多くの人々が待ち望んでいることは確かですね。(新潟支局)

 掲載テーマを募集しています 〒100−8051毎日新聞「なるほドリ」係
http://mainichi.jp/articles/20160702/ddm/003/070/041000c

http://archive.is/4KSbD

タグ:トキ 佐渡島
posted by BNJ at 12:03 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: