2016年07月08日

会心の一枚:記者コラム 窓【中日新聞2016年7月6日】(コハクチョウ)

 夕暮れ時のオレンジ色の光の中、水面を泳ぐコハクチョウの群れを捉えた十年前の一枚の写真。しばらくして「えっ」と思い、何度も見返した。

 加賀市内で野鳥の写真を二十年以上撮影している男性の作品展を取材した時、美しさに目が奪われ、その写真の持つ意味を理解するのに時間がかかった。撮影場所は同市の柴山潟内の水面。コハクチョウは近年でも潟周辺の干拓地に飛来するが、潟内部にはまず来ないのだ。

 以前の取材で、それを知っていたので、撮影者に「これ、すごいですね」と言うと、彼も「こんな光景を見たのはこの時だけ」と答えた。彼が過去に撮影した多くの光景が、環境悪化などで今では見られない。作品展で彼はそれを訴えたかった。会心の一枚。彼の寂しさが伝わってきた。 (古田秀陽)
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/toku/mado/CK2016070602000218.html

posted by BNJ at 22:06 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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