2016年07月15日

【関西の議論】「ど根性金魚」再来の強運!奇跡のニワトリ=@生き餌から動物園のスターに大出世…会えたら幸せに?【産経WEST2016年7月15日】(既報関連ソースあり)

奇跡のニワトリ≠ニして人気を集めている「まさひろ君」(上)と弟分「よしと君」(天王寺動物園提供)
 日本人は何かにつけてあやかったり、縁起を担いだりするのが好きな民族だ。今、数奇な運命を生き延びた「奇跡の動物」として脚光を浴びているのが、大阪市天王寺区の天王寺動物園で飼育されているニワトリの「まさひろ君」だ。もともとは肉食獣に生きたままエサとして与えられるヒヨコだった。幾多の危機を乗り越えた強運が注目を集めているが、さらに弟分のニワトリ「よしと君」まで登場した。園長も「まさに当園のスター」と絶賛する。昨年、三重県志摩市の水族館で、同じエサとしての境遇から生き延びた巨大金魚が話題を呼んだ。2羽のニワトリも「会えたら幸せになれる」と人気が広がっている。

引っ張りだこ状態

 まさひろ君は現在、鳥類を飼育する「鳥の楽園」で飼育員たちに飼われているボリスブラウンという種類の1歳のオス。早朝、用具を運ぶトラクターに乗せられてゾウの飼育舎に出勤、夕方に鳥の飼育舎まで園内を散歩しながら戻るのが日課だ。

 飼育員の背中を追ってチョコチョコと歩き回る愛らしい様子に、来園した子供たちが競って抱っこしたり、ファンがカメラに収めたり…。

 今年のバレンタインデーには、まさひろ君を抱っこするイベントまで開催された。思わぬ人気にテレビ各局もフィーバーぶりを相次いで報じている。まさに引っ張りだこの状態だ。

運命のいたずら重なり…

 売れっ子となったまさひろ君だが、もともとはアライグマやタヌキなどの小型肉食動物に生きたまま与えられる「生き餌」。園で昨年7月、2週間に1回、業者から20羽程度仕入れられる小売単価数百円の1羽に過ぎなかった。

 運命のいたずらなのか、たまたま同じ時期に人工孵化(ふか)した1羽のマガモのひながいたのが「幸運」の始まりだった。

 飼育員の河合芳寛さん(40)によると、子ガモは1羽だと人を怖がって餌を食べようとしない。しかし、ヒヨコを一緒にするとまねをして餌を食べるようになるという。ヒヨコだったまさひろ君は子ガモの模範になることで、動物たちのエサとなる運命を回避した。

 最大の危機が訪れたのは昨年9月ごろ。鳥の楽園にイタチが出没し、マガモが殺傷される事態が相次いでいた。イタチの捕獲に白刃の矢が立ったのがまさひろ君だ。3夜連続で「おとり餌」としてネズミ捕りの中に逆さにつり下げられた。ピヨピヨと切なく鳴くヒヨコをイタチも不憫に思ったのだろうか、その間、姿を現わすことはなかった。

恩人を攻撃対象に

 奇跡はまだ続いた。

 通常は若鶏へと成長する過程で、病気などで弱った大型肉食獣を元気づけるため、ごちそうとして与えられることもある。しかしまさひろ君の場合、「オファーがあれば提供していたけれど、偶然、申し出がなかった」という。

 そして9月下旬、河合さんと長谷川真登さん(38)の飼育員2人の名前から「真」と「寛」の1字ずつを取ってまさひろ君と名付け、園で飼うことが決まった。

 河合さんは「生き餌だったヒヨコを飼い始めるのは初めての経験。一般的に雄鳥は気性が荒く、人にあまりなつかないのだが、抱っこされてもおとなしくしているニワトリは珍しい」と目を細める。

 やんちゃ盛りの子供たちに抱っこされてもおとなしいまさひろ君。ただ、苦手な人がいると、くちばしで突っついたり、両足でキックを見舞ったりすることもある。その攻撃対象がなぜか、恩人であるはずの飼育員なのだという。

 名前の由来にもなった長谷川さんは「実は犬猿の仲なんです」と笑う。当初は大の仲良しで、まさひろ君を片手で担いで鳥の飼育舎を水洗いしていたことから「抱き癖がついたのでは」とも言われていた。抱っこされてもおとなしい、その得意芸を身につけた師匠とも言える存在。なぜ突然、攻撃対象になったのだろうか。

 長谷川さんは「原因は分からない。最初はめちゃめちゃへこんだが、今は笑いのネタにしています」と語る。

デビュー待ちの弟分

 園内には、まさひろ君の弟分「よしと君」が本格デビューを控えている。

 同じボリスブラウンのオスで、入荷日は不明。爬虫類(はちゅうるい)館でストックされていた生き餌としてワニやニシキヘビに与えられるはずが、その機会がなく成長。鳥の飼育班が今年1月に引き取った。

 よしと君のデビューには、まさひろ君が抱えるスターゆえの悩みが深くかかわっている。

 まさひろ君はイベントなどで入れ代わり立ち代わり抱かれ続けると、やや疲れを見せ始め、抱っこの人数制限をすることもある。1羽だけでは負担が大きいと判断した園が、よしと君も弟分としてデビューさせることを決めたのだ。

 2羽の名付け親である飼育員、西村慶太さん(48)によると、よしと君はやや神経質なところがあり、「今は来園者が少ない日に園内を散歩させて徐々にならしている状態」。本格デビューの日は近い。

排水口から脱出した奇跡の金魚

 「会えると幸せになれるという噂を聞いていた。今日はラッキー」。携帯電話のカメラでまさひろ君を撮影した大阪市中央区のアルバイト女性(47)が喜んだように、フィーバーの源泉は奇跡的に生き延びた異色のストーリーだ。

 三重県志摩市の水族館「志摩マリンランド」でも昨年、奇跡的なサバイバルが話題を呼んだことがあった。世界最大の肉食淡水魚「ピラルク」の水槽に7年以上前にエサとして放たれた全長約3センチの金魚が排水口から逃げ出し、地下の浄水槽で体長25センチ、体重360グラムに成長していたのだ。巨大金魚は「ど根性金魚」として人気を集めた。

 エサとしての境遇が重なるとはいえ、まさひろ君のような動物が、一転して園で飼育されるのは極めて珍しい事例だ。

 動物園の経営と教育に詳しい帝京科学大総合教育センター講師の佐渡友陽一氏は「動物園の生き餌が飼われ始めるのは非常にレアなケースで、最初に知ったときは耳を疑った」としたうえで、人気の理由をこう分析した。

 「そもそも動物園は、動物たちの物語によって立つところがあり、まさひろ君の持っている超弩級(ちょうどきゅう)≠フサクセスストーリーが多くの人の心をつかんだのだろう」

 天王寺動物園の牧慎一郎園長は「最近はニワトリを飼う学校が少なくなりつつあり、動物と直に触れ合える体験も珍しがられているのかもしれない。ありふれた動物でも人気者になれるというのは新たな発見だった」と話した。
http://www.sankei.com/west/news/160715/wst1607150004-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/160715/wst1607150004-n2.html
http://www.sankei.com/west/news/160715/wst1607150004-n3.html
http://www.sankei.com/west/news/160715/wst1607150004-n4.html

http://archive.is/LUcp5
http://archive.is/cAbP8
http://archive.is/Dgbgb
http://archive.is/gKPSU

“奇跡のニワトリ”意外な人気 「生き餌」のはずが3度も生き延び…「会えたら幸せになれる」【産経WEST2016年6月4日】
天王寺動物園のニワトリ「マサヒロ君」 思わぬ人気者に【あべの経済新聞2016年1月29日】

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