2016年08月06日

野鳥検知、衝突を回避 風力発電促進へシステム開発【どうしんウェブ2016年8月6日】(オジロワシ)

村井祐一教授
 北大大学院の村井祐一教授(流体力学)らの研究グループは、風力発電施設での野鳥の衝突事故(バードストライク)を防ぐため、飛来する鳥を検知して衝突を避ける「野鳥センサー」のシステムを開発した。国の天然記念物のオジロワシなど10種類の鳥をカメラで識別し、風車の速度を制御する仕組み。再生可能エネルギーの利用促進に向け、運用試験を重ねて実用化につなげたい考えだ。

 日本野鳥の会(東京)によると、2001〜15年度に全国の風力発電施設で約340羽の野鳥がバードストライクに遭った。このうち、道内での被害が大半を占めるオジロワシは43羽に上る。バードストライクは風力発電施設の普及にとって課題となっている。

 村井教授は07年から、北大や室蘭工大の専門家、NEC(東京)と共同研究を進めてきた。開発したシステムでは、風車の付近に高速で画像を認識できる「鳥カメラ」を設置した。風車に接近する野鳥を撮影し、形状や羽ばたきの周波数などから種類を識別する。

 希少種の保護を主な目的とし、天然記念物のオジロワシとオオワシや、カワウ、カモメなど10種類を対象とする。これらの野鳥を確認すると、風車の速度を緩めるよう運行を管理する装置へ指示が出され、野鳥が自ら衝突を回避できるスピードまで落とす。

 現在の技術では、鳥カメラを設置した場所から約3キロ、高度は約200メートルの範囲で飛来している鳥を確認できる。野鳥センサーは、野鳥の種類や飛来数のデータも収集できるため、風力発電施設の建設予定地で行う環境アセスメントでの活用が期待できるという。

 これまでも、各地の風力発電所で鳥カメラの動作確認などの実証実験を重ねてきた。実用化には、鳥の識別の精度を上げるため、データの蓄積が必要で、今年11月から2カ月間にわたり、希少種の野鳥が多数飛来する道北で本格的な運用試験を行い、識別精度を高める。

 村井教授は昨春、米英などの専門家とともに「世界バードストライク科学技術会議」を設立し、海外の野鳥研究所や官公庁と連携して対策を検討している。野鳥センサーについて「来るべき風力エネルギー社会に向け、野鳥との共存を可能とする画期的な新技術だと思う」と話している。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/science/science/1-0301541.html

海ワシ類のバードストライク防止策 環境省、風力発電向けの手引き書を作成【環境ビジネスオンライン2016年6月29日】
環境省_「海ワシ類の風力発電施設バードストライク防止策の検討・実施手引き」の策定に関する意見の募集(パブリックコメント)について(お知らせ)【環境省報道発表資料2016年4月26日】
風車と鳥類の衝突を自動検知、洋上風力にも使える遠隔監視システム【スマートジャパン2016年4月19日】

posted by BNJ at 11:23 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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