2016年08月19日

うみの杜の夏 「夜の海」一生の思い出に【読売新聞2016年8月19日】(ペンギン/仙台うみの杜水族館)

広報・販売促進担当 高倉亮祐さん28

お泊まりイベント「夜の生物観察会」。大水槽の前に寝ころび、親子で魚たちを思い思いに観察した

 大水槽の前に寝ころび、つぶっていた目を開けると、キラキラと輝く青い海が広がっていた。その美しく幻想的な光景は、子どもたちにとって忘れられない一生の思い出となるに違いない。

 この夏、仙台うみの杜水族館では1周年を記念し、お泊まり体験ができるイベントを企画した。3回目となった8月5日には、38人の親子が参加。子どもたちは我先にと大水槽の前に陣取り、マイワシの群れなどを思い思いに観察しながら、午後10時、興奮も冷めやらぬまま眠りについた。

 母の真弓さん(36)と訪れた柴田町の小学4年忠村優衣さん(9)は「イワシが夜になるとゆっくり動いていて、びっくりした。図鑑には書いていないことが分かって楽しかった」と目を輝かせた。

 「復興を象徴する水族館として何ができるか」。1周年の特別イベントは、広報・販売促進を担当する高倉亮祐さん(28)が中心になり、3月下旬から検討を進めた。

 お泊まりイベント「夜の生物観察会」は、飼育員も含めた担当者6人が通常業務を終えた後、夜遅くまで残って企画を練り上げていった。観察ツアーでは、飼育員から生き物の候補として20種近くが提案された。しかし、「多すぎると一つに割ける時間が短くなる」との意見が出て、夜になると砂に潜るチンアナゴなど、興味深い行動を見せる8種に絞り込んだ。どう館内を巡ったら面白いか、リハーサルも重ねた。

 子どもたちに配る「観察のしおり」は、イロワケイルカやペンギンが、どうやって眠るかなどをクイズ形式で紹介。登場する生き物たちのイラストはスタッフ自らが描いた。「水族館に泊まるなんて、めったにできない経験。大人になったとき、自分の子どもにも誇れるようなものにしたかった」。企画には、高倉さんのそんな思いが込められている。

 2015年5月に閉館したマリンピア松島水族館(松島町)は長年にわたり、多くのファンに愛され続けた。生き物たちを引き継いだ仙台うみの杜水族館も地域密着を目指し、1周年イベントでは、仙台市を拠点に活動するアーティストとコラボレーションしたイルカのジャンプを披露。東日本大震災で被害の大きかった気仙沼市の観光協会などと連携してワークショップも開いた。

 高倉さんは「マリンピアが88年続いたように、次の世代にも愛される水族館にしていきたい」と夢を膨らませている。
http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/feature/CO025311/20160819-OYTAT50018.html

http://archive.is/12luE

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