2016年08月21日

女の気持ち ヒバリの贈り物 茨城県つくば市・松田幸枝(主婦・78歳)【毎日新聞2016年8月21日】

 ヒバリは有名な鳥だし、たいていの人は知っています。でも私は実際の姿を見ていませんでした。どこかで出合っていたとしても、これがヒバリと認識したことがありませんでした。

 この夏、やっと見ることができたのです。教職を辞してから、メモ程度に残してきたものを整理するつもりで地域の俳句会に参加しました。そこで季語と出合いました。無造作に使っている日本語の中に、俳句をつくる人のための季語という美しい言葉の集団があることに改めて驚き、その中で「揚(あげ)雲雀(ひばり)」「落雲雀(おちひばり)」を知りました。

 6月8日、夫と散策中でした。中空をもがかんばかりに小鳥が羽ばたいています。相当な高みなのに、なおもぐんぐん上昇し、雲間に消えました。思わず「あ、揚雲雀だ」と叫んで夫を驚かせました。初めてのヒバリとの出合いに胸が高鳴りました。

 ならば、きっと雲から出てくる、と歩調を落とし、首の疲れをなだめながら見上げていると、ものの5分もたたないうちに、薄曇りの空から出てきました。いや、落ちてきたと言えるでしょう。初めは小さな「点」だったのが、風の中をやや左斜めに、少しずつ温かみを感じさせるほどの大きさの「もの」になって、羽ばたきを見せることなく、30メートルほど先の草地の中に落ちたのです。あっという間の、これが「落雲雀」なのでしょう。

 季語そのままを空の大舞台で1匹のヒバリが演じてくれました。それを目の当たりにすることができてとてもハッピーな一日でした。
http://mainichi.jp/articles/20160821/ddm/013/070/021000c

http://archive.is/zlGas

タグ:ヒバリ
posted by BNJ at 11:46 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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