2016年08月26日

社説 海洋ごみ汚染 国際連携で拡散を防止したい【読売新聞2016年8月26日】(マイクロプラスチック/海鳥/既報関連ソースまとめあり)

 海洋の環境を脅かすプラスチックごみを減らすために、国際連携の輪を広げたい。

 日本各地の海岸に流れ着き、回収されたごみの量は2013年度、約4万5000トンだった。環境省は、未回収分を合わせた漂着ごみ全体では31〜58万トンに上ると推計している。

 海水浴シーズンの前後などに行われる清掃の費用は年々増え、13年度は全国で43億円に達した。

 ごみの大半はペットボトルや洗剤の容器などのプラスチックだ。内陸で投げ捨てられたものが川から海に流れ込むほか、九州や本州の日本海側では、中国や韓国など海外から漂着するものも多い。

 海洋ごみの総量を抑制するには、プラスチック製品の使用減や再利用、ポイ捨て防止などを徹底することが欠かせない。

 世界のプラスチック生産量が増加する中、少なくとも年間800万トン分が海に流出しているとされる。中国や東南アジア諸国などが上位を占めるとの試算もある。

 5月に富山市で開かれた先進7か国(G7)環境相会合でも、G7が主導し、国際協力を推進することを確認した。

 日本は既に、中韓両国やロシアとの間で、プラスチックごみ関連政策の情報交換や、海洋汚染の実態調査の研修、海岸清掃の共同実施などの取り組みを進めている。こうした対策を関係国にさらに拡大することが求められよう。

 海洋ごみは海岸の景観を損ねるだけでなく、水産物にごみが混ざって商品価値を下げたり、漁網を破損したりする。魚や鳥が誤ってのみ込み、死ぬケースも多い。

 近年、深刻化しているのが、大きさが5ミリ以下の「マイクロプラスチック」の増加である。ペットボトルなどが、太陽光の紫外線や波の力などで細かく砕かれたものだ。既に地球全体の海に広がっており、回収はほぼ不可能だ。

 影響は、より小さな生物にも及ぶ。東京農工大が昨年、東京湾で行った調査では、カタクチイワシ64匹の8割近くからマイクロプラスチックが発見された。海底にすむ貝からも見つかっている。

 PCB(ポリ塩化ビフェニール)などの有害物質を吸着する性質も要注意だ。食物連鎖の中で蓄積され、海洋生物の繁殖や人体への影響も懸念される。

 マイクロプラスチックの研究は日米欧が先行している。だが、研究者はまだ少なく、測定や影響評価の方法が標準化されていない。日本は経験を生かし、対策の基盤作りをリードしたい。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160825-OYT1T50154.html

http://archive.is/cE7Oe
微細プラスチック、魚から 吸着の汚染、体内蓄積 海洋生態系に脅威【朝日新聞デジタル2016年6月23日】
琵琶湖で直径5ミリ以下微細プラスチック見つかる 京大調査【産経ニュース2016年3月18日】
(教えて)海を漂流するごみが問題になっているの?【朝日新聞デジタル2015年10月5日】
海鳥の90%がプラスチックを誤飲、最新研究で判明 増える一方の海洋ごみが、鳥たちの命を脅かす【ナショナルジオグラフィック日本版2015年9月7日】
海洋漂流ごみ、大半がプラ 横浜寄港のスイス環境団体【共同通信2015年7月28日】
プラスチック破片:南極海で調査 九州大など、世界初の実施へ【毎日新聞2015年7月17日】
過去60年間で世界の海鳥が7割も減少していた?海洋生態系へ影響に懸念の声が広がる【IRORIO2015年7月14日】
微小プラ汚染、外洋まで 環境省、日本周辺で調査 生態系への影響を懸念【朝日新聞デジタル2015年4月24日】
プラスチックごみ27万トン浮遊 世界の海、粒子5兆個【共同通信2014年12月11日】

posted by BNJ at 11:33 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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