2016年09月06日

高田守先生の生き物語り 息子・娘 どちらを産むべきか【毎日新聞2016年9月6日】(アオガラ)

強い雄が多数の雌と交尾するカブトムシ
 古来、子の性別は親の望み通りにいかず、もどかしい思いをするといった類いの話がある。人間の場合、性別はXとYの2種類の性染色体によって決まる。そのため、男女どちらの子が生まれるかは半々の確率、と聞かされたことがある方も多いだろう。しかし、この説明は半分間違っている。

 子の性別問題は、どちらの性別の子を産んだ方が有利になるのかを考えるべきなのである。例えば、栄養状態が良く、質の高い子を育てることができる母親にとっては、どちらの性別が最適なのだろうか?

 これは生き物によりけり。体が大きく闘争力の強い雄が、多くの雌と子を作れるシカの仲間では、栄養状態の良い母親は、息子を産みやすい傾向にある。また、あるネズミの一種では、質の高い子を育てられる見込みの低い母親は、雄の胎児を流産しやすく、娘を産みやすい。

 母親の栄養状態だけでなく、父親の魅力も影響する。例えば、アオガラという鳥の雄は奇麗な飾り羽を持ち、その奇麗さで雌にモテるかどうかが決まる。この種では、モテる雄と交尾した雌は、息子を産みやすくなる。これは、将来的にモテる雄に成長することが期待されるためと考えられる。

 このように子の性別によって、残せる子孫の数に差が生じるならば、子の性別を半々よりもどちらかに偏らせる仕組みを持ち得るのである。人間の場合は、ストレス環境下では、若干だが娘を産みやすい傾向にある。それでも男女どちらの子が生まれるかが、母親の栄養状態等で劇的に変化しないのは、どちらの子が生まれても、得られる利益に大きな差がないためだろう。(動物行動学者)=次回は10月4日掲載
http://mainichi.jp/articles/20160906/ddm/013/070/020000c

http://archive.is/3fi82

タグ:アオガラ
posted by BNJ at 12:02 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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