2016年09月25日

(天声人語)トコロジストという発想【朝日新聞デジタル2016年9月24日】

 自然を学び、守るエコロジストはよく聞くが、トコロジストという言葉は知らなかった。公園や森など身のまわりの自然をじっくり観察する「その場所の専門家」だという。養成のための講座があると聞き、神奈川県大和市を訪れた▼この日の実習は、「生きもの地図」作り。地形図を手に公園を歩き、紅白の小さな花をつけるミズヒキや巣を張るジョロウグモなどを見つけ、一つ一つ書き込む。場所に精通する第一歩だという▼「見過ごしてきたけれど当たり前のもの。それを面白がってもらえれば」と講師役の箱田敦只(あつし)さん(52)は言う。勤務先である日本野鳥の会を通じ、県内の博物館長でトコロジストを提唱していた浜口哲一(てついち)さん(故人)と知り合った。専門分野の生きものを遠くに探しに行くのではなく足元にこだわる。その姿勢にひかれた▼娘が幼いころ近くの公園を歩いて気付いたことがあるという。幼児の歩みにあわせると、やぶの物音で野鳥を見つける。アリの行列に目が行く。ジョギング、大人の足、子供の足――。進む速さを変えると見えるものが変わる▼地球温暖化や生物多様性など自然にかかわるニュースは多い。頭で分かろうとしても縁遠い感じは拭えない。まずは身近な生きものにふれようという提案は古くて新しい▼当方も近所の公園をゆっくり歩いてみた。名を知らぬ小さな花がある。聞き分けられぬが虫の声がにぎやかだ。トコロジストにはとてもなれないが、秋といっしょにいることだけは感じた。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12576185.html

http://archive.is/p4dgO

posted by BNJ at 21:25 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: