2016年10月12日

もうひとつの動物園 守り・伝える/131 ペンギン/8 /東京【毎日新聞2016年10月12日】

「人工育雛」に着手
 飼育下のフェアリーペンギンは寿命が7、8年ほど。国内の飼育施設では、海外から入ってくる個体が途絶え、次第に高齢化が進むと、世代交代が進まなくなった。

 このため、葛西臨海水族園は2013年、親鳥が抱卵から巣立ちまでひなを育てる「自然育雛(いくすう)」と並行して、ふ卵器でかえしたひなを人が育てる「人工育雛」に着手した。飼育担当の山本達也さん(30)は「野生のペンギンを展示する時代ではないし、繁殖できる技術が無い国への輸出を認める国もない」と話す。

 山本さんは、ひなを育てることが上手なペアの行動を参考に、ふ卵器の温度やひなに与える餌の成分などを検討した。まず、14年に人工で2羽の巣立ちに成功。翌15年は、ふ卵器の温度や湿度を調整し、一度に8羽を巣立たせた。

 餌はアジをミキサーに掛け、ビタミンなどの栄養を加えたものを針の付いていない注射器の筒で1滴ずつ根気よく与える。ふ化時のひなは大人の手のひらに隠れるほど小さく、誤って餌が気管に入ると肺炎を起こすので慎重になる。1羽に1日4回、多い時は4時間おきに与えた。

 ひなにはぞれぞれ個性がある。餌を飲み込むまで時間がかかるひながいれば、ヤカンの水を勢いよく飲むようなひなも。山本さんは「てんやわんやの毎日でした」と振り返った。【斉藤三奈子】
http://mainichi.jp/articles/20161012/ddl/k13/040/162000c

http://archive.is/BB9Ff
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