2016年10月30日

富士通、ICT技術でシマフクロウ生息調査を支援【NEWSALT2016年10月30日】(既報1ソース)

富士通グループは、日本野鳥の会が北海道東部で実施しているシマフクロウ生息調査に対して情報通信技術(ICT)を活用した支援を15日から行っている。同グループの開発した音声処理技術を応用し、生息域で録音した音声データの中からシマフクロウの鳴き声を自動認識して高精度で抽出するプログラムを開発した。シマフクロウ生息域調査の効率化、精度向上が図れる。

シマフクロウは環境省のレッドリストで絶滅危惧IA類に指定されている。日本では北海道東部の知床、根室、日高地域などで見られるだけになり、つがい約50組、140羽程が生息している。

野鳥の会は、1986年から野鳥保護区の設置によりシマフクロウ生息地の保全活動をしてきた。その調査にあたり、従来は調査員が数時間、耳で聞いて鳴き声を確認していた。2011年10月からは、ICレコーダーを設置して録音した音声を、市販の音声解析ソフトによるスペクトル解析や試聴によって人が確認してきた。

富士通グループは、シマフクロウのオスとメスが鳴き交わすときの音声パターンに着目。録音データの中からシマフクロウの鳴き声だけを自動認識して高精度で抽出するプログラムを開発した。これによりこれまで1時間かかる処理作業が2、3分に短縮されるとともに、人での作業では見落としていた遠くの声も検知可能となり、調査精度も向上した。

富士通グループは今後もICT技術で、シマフクロウの他にも生物多様性保全に取り組んでいくとしている。

(写真はイメージ)

参考記事
日本野鳥の会、土地を購入してシマフクロウの保護区を設置(2016/08/29)
http://newsalt.jp/it/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E9%80%9A%E3%80%81ict%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%A7%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%83%95%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A6%E7%94%9F%E6%81%AF%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%82%92%E6%94%AF%E6%8F%B4

絶滅危惧種、シマフクロウを守れ!野鳥の会と富士通の保護大作戦 音声認識プログラムで声を抽出、数の把握が格段に早まる【ニュースイッチ日刊工業新聞2016年10月27日】
シマフクロウ(日本野鳥の会提供)
 オスが「ボボ」と鳴くとメスが「ブ」を鳴き返す。シマフクロウのつがいの鳴き交わしだ。夜、暗い森に響く鳴き声からシマフクロウの数を確認できる技術を富士通が開発した。

 シマフクロウは両翼の幅が2メートル近くになる巨大フクロウ。日本では北海道で140羽の生息しか確認されておらず、環境省レッドリストで絶滅危惧IA類に指定されている。

 日本野鳥の会は長年、シマフクロウの保護に取り組んでいる。会の会員でもある富士通環境本部グリーン戦略統括部の畠山義彦氏は「保護には生息域を知り、生息数を知ることが大事」と話す。だが、シマフクロウは夜行性なので姿を確認すること自体が難しい。

 そこで野鳥の会は、ICレコーダーを山中に置いて夜間に3時間録音し、再生した鳴き声から数を把握していた。音の波形を画面上に表示し、シマフクロウの声を見分ける調査もしていた。だが、人の耳と目に頼るので早送りしてもICレコーダー1台の調査に1時間かかっていた。

 富士通が開発した音声認識プログラムは音声データを入力すると、周波数からシマフクロウの声を抽出し、瞬時に数を解析する。ICレコーダー1台の解析時間は数分だ。

 野鳥の会は人の作業だと7地域49地点の解析に3カ月かかることがあった。富士通の技術だと18地域142地点に広げても解析は2週間で済み、調査効率が飛躍的に高まった。

 2組のつがいが同時に鳴いても、聞き分けられるのも強みだ。人だと1組2羽にしか聞こえないが、音声認識プログラムで2組4羽がいることも分かるようになった。

 プログラムで行動範囲を調べると、日本製紙の社有林を生息域としていることも判明。野鳥の会と日本製紙は2015年に覚書を結び、繁殖期に伐採しないなどを取り決めた。

 「シマフクロウはアイヌの村の守り神だった。今は人が守る立場になった」(畠山氏)という。情報通信技術(ICT)の活用で人の調査が効率化されれば、保護できるシマフクロウも増える。いずれ、シマフクロウを守り神とする文化も復活する。

 富士通は本業のICTによる生物多様性保全に取り組む。シマフクロウの音声認識プログラムは、グループ会社が研究していた携帯電話の音声認識技術が生かされた。他にも携帯電話のカメラで撮影した画像データを地図と結びつけ植物の生息地図を作る技術もあり、自然保護団体や研究機関が活用している。
https://newswitch.jp/p/6588

http://archive.is/3qEpl
http://archive.is/IzSiL

posted by BNJ at 12:18 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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