2016年10月29日

15歳のニュース 目が離せない西之島 噴火3年で初上陸 大陸形成の解明に期待【毎日新聞2016年10月29日】(既報関連ソースまとめあり)

 3年前の噴火(ふんか)でほとんどの生物が失われた東京・小笠原諸島(おがさわらしょとう)の無人島・西之島(にしのしま)に20日、東京大学地震(じしん)研究所などの研究チームが初上陸した。繁殖(はんしょく)している海鳥や生き残りの植物などが確認されたが、復活しつつある生態系はこの先、どのように推移していくのだろう。注目される西之島の三つの「なぜ」に迫(せま)ってみた。

 ◆なぜ1 生物がほぼ消滅(しょうめつ)

 西之島周辺で噴煙(ふんえん)が発見されたのは2013年11月20日。1974年以来の海底火山の噴火で、元々の西之島から南東約500メートルの海上に直径200メートルほどの「新島(しんとう)」が20年ぶりに誕生した。

 活発な噴火活動は続き、多量の溶岩(ようがん)が流出して新島は“成長”を続け、約1カ月後には西之島と合体。15年末に溶岩の流出が収まった時には、面積は元々の島の約12倍、約270ヘクタールに。溶岩が西之島を覆(おお)うように拡大したため、生物は一掃(いっそう)されてしまった。

なぜ2 調べて何が分かる?
 気象庁は今年8月、警戒(けいかい)が必要な範囲(はんい)を火口周辺1・5キロから500メートルに縮小した。研究チームは10月20日、研究船「新青丸(しんせいまる)」を使って今回の噴火後、初上陸した。

 噴出(ふんしゅつ)時期の異なる溶岩を採取して、地震計(じしんけい)や空振計(くうしんけい)、鳥の鳴き声を録音する装置を設置。大規模な火山島は珍(めずら)しく、新島がどのように形成されていくかを解明するのが狙(ねら)いだ。さらに溶岩を調べることで、地球で大陸が形成された謎(なぞ)に迫る研究が進むのではないかという期待(きたい)もある。西之島の溶岩が、大陸地殻(ちかく)を形成する安山岩(あんざんがん)だからだ。

 ◆なぜ3 立ち入り禁止を検討中

 研究チームは上陸の際、靴(くつ)や衣類、バッグは新品に▽機材は消毒して密閉▽上陸前に荷物ごと頭まで海に入って種子などを洗い流す−−などした。新しい生態系ができていく過程を観察できる「実験場」に外来種が持(も)ち込(こ)まれるのを防ぐためだ。環境(かんきょう)省は自然環境保全法に基づき、西之島を原則立ち入り禁止地区に指定することを検討中という。

 調査によると、海鳥のアオツラカツオドリの親鳥とヒナ、渡(わた)り鳥(どり)のアトリ、市街地でも見られるハクセキレイのほか、ハサミムシやガの幼虫、トンボ、噴火前からあった雑草類も確認された。いったんは溶岩で覆われた島の景色(けしき)がどのように変化していくのか、これからの西之島から目が離(はな)せない。

 ■KEY WORDS

 【研究(けんきゅう)チーム】

 東京大や神戸大(こうべだい)、森林総合研究所などの地球物理学や地質学、鳥類学の研究者ら14人で構成されている。

 【1974年以来(ねんいらい)】

 海底火山の噴火(ふんか)活動で1973〜74年に出現した陸地(新島)は、西之島(にしのしま)と陸続きになった。73年の噴火は水深100メートル程度、今回は水深数十メートルで始まったとされる。小笠原諸島(おがさわらしょとう)や伊豆(いず)諸島では海底火山の噴火で何度か陸地が出現しているが、風雨で崩(くず)れるなどして消滅(しょうめつ)している。

 【新島(しんとう)】

 国の領海(領土から12カイリ=約22キロ)内に新島がある場合、国際慣習でその国に主権があると見なされる。海上保安庁は領海と排他的(はいたてき)経済水域(EEZ)が計約50平方キロ広がるとみている。

 【自然環境保全法(しぜんかんきょうほぜんほう)】

 島で保全地域を指定するには300ヘクタール以上の面積が必要。西之島には適用できないため政令を改正する。
http://mainichi.jp/articles/20161029/dbg/048/040/010000c

http://archive.is/XkOEC
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溶岩で覆われた西之島、花咲き鳥歌う島になるか【AFPBB News2015年5月20日】
くらしナビ・環境:西之島噴火、海鳥どうなる 国内有数の繁殖地 溶岩で覆われ【毎日新聞2015年3月20日】

posted by BNJ at 11:31 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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