2016年11月02日

もうひとつの動物園 守り・伝える/134 ペンギン/11 /東京【毎日新聞2016年11月2日】

深刻だった重油流出事故被害
 野生のフンボルトペンギンやケープペンギンが巣穴を作る場所のなかには、海鳥のふんや卵の殻などが何万年もかけて積み重なり地層のようになったところがある。こうした堆積(たいせき)物は「グアノ」と呼ばれ、窒素とリン酸を大量に含むため、古くから肥料に利用されてきた。かつて、グアノは大規模な採掘が続いた時期があり、フンボルトペンギンやケープペンギンの営巣地が消失し、繁殖数が低下した。

 南米のペルーからチリの太平洋沿岸に主な繁殖場所があるフンボルトペンギンは、19世紀には100万羽以上いたと推定されるが現在、3万5000羽前後に減少している。また、南アフリカの大西洋と南極海に面した沿岸に主な繁殖地があるケープペンギンは20世紀初頭、推定で400万羽いたとされるが現在、約5万羽に激減した。国際自然保護連合は両種を絶滅の恐れがある種にリストアップしている。

 グアノの採掘ばかりではなく、地球温暖化に伴う気候変動など、ペンギンを取り巻く環境は厳しい。なかでも、ケープペンギンはこの50年、18種が知られているペンギンの中で最も減少したと言われる。原因の一つに、1994年と2000年に発生した大規模な重油流出事故が挙げられる。二つの事故でケープペンギンは約4万羽が犠牲になったとされる。多くの人に愛されるペンギンだが、重油流出事故によるペンギンの被害の深刻さは、国内ではあまり知られていない。【斉藤三奈子】

http://mainichi.jp/articles/20161102/ddl/k13/040/055000c

http://archive.is/guVPw
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