2016年11月06日

鹿児島)奄美の森で産廃処分場建設計画 住民は反対【朝日新聞デジタル2016年11月6日】(カラスバト/アカヒゲ/アマミヤマシギ他)

産廃処分場建設予定地近くの崎原町内会の水源。右手前は絶滅危惧種のレンギョウエビネ。春に黄色い花を咲かせる=奄美市名瀬

 奄美市名瀬の名瀬勝(なぜがち)の森で、民間業者が産業廃棄物処分場の建設を計画している。奄美大島が世界自然遺産を目指す中、業者側は「産廃の適切処理で環境保護に役立つ」と説明。これに対して、住民側は「美しい自然と水源が汚される」と訴え、6日に建設阻止に向けた総決起大会を開く。

 計画するのは同市の産廃処理業者「三宝開発」(指宿健一郎社長)。10月14日、工事を請け負う大和村の建設業「心拓」(泉直希社長)とともに、崎原町内会(瀧田龍也会長)を対象に説明会を開いた。

 計画によると、産廃処分場はプラスチックやゴム、金属など5品目の廃棄物を埋め立てる安定型で、埋め立ての面積は4万2650平方メートル、容量は39万7140立方メートル。泉社長は「水源からは離れており、影響はない。念のために十分な対策も行う」と語り、地元の雇用創出にもつながると理解を求めた。

 きこれに対して住民からは「きれいな水や山を汚さないで」といった反対の声が相次いだ。説明会前の町内会の総会で、反対の意思を確認した。

 この計画が浮上したのは1993年ごろ。県は99年、三宝開発に対し、廃棄物処理法に基づく設置許可と森林法による林地開発許可を出した。水源地が近くにある町内会や住民の反対で頓挫したいきさつがあるが、許可の効力は現在も生きているという。

 住民らは先月27日、県庁を訪れ、着工を強行しないよう指導することなどを要望。県の担当者は「地元に丁寧に説明するように指導している」などと回答した。泉社長は朝日新聞の取材に対し、「建設に住民の同意は必要ないが、強引に進めたくはない。(着工時期は)11月上旬の予定だったが、反対意見も踏まえて検討中」と答えた。

 総決起大会は6日午後2時から崎原小体育館で。瀧田会長は「奄美の自然を守るため、多くの人に参加してほしい」と呼びかけている。

■滝・希少動植物…自然の「宝庫」 周辺ルポ

 産廃処分場の建設が予定される奄美市名瀬勝の森。周辺では、ルリカケスやアマミヤマシギなど奄美大島の貴重な生き物が確認できた。下流には美しい滝もあり、島の豊かな自然を満喫できるエリアだ。

 11月3日、奄美自然環境研究会の常田守会長と崎原町内会の瀧田龍也会長に周辺を案内してもらった。

 「ウッ、ウー」。道路から予定地を眺めていると、カラスバト(国天然記念物)の鳴き声が響き、ルリカケス(同)が羽ばたいた。そばの森に入ると、幹に穴があいた木が。キツツキの仲間オーストンオオアカゲラ(同)がつついた跡だ。「天然記念物だらけ。過去に伐採があったけど、今は良い森に回復してきている」と常田会長。

 町内会の水源では、澄んだ水をせき止めた場所から水道用のパイプが走らせてあった。「私たちはこの水を飲んでいるんですが……」。そう言いながら、瀧田会長はそばの尾根を見上げた。「予定地は尾根の向こう側。森はつながっているのに、汚染を心配しない方がおかしい」。近くには、ツルランとレンギョウエビネの株があった。ともに環境省のレッドリストで「絶滅危惧U類」だ。

 予定地の下流にある「田平(たびら)の滝」にも足を運んだ。林道から降りて渓流沿いを歩く。シダ植物シマオオタニワタリが木々に生い茂り、リュウキュウハグロトンボを見つけた。アカヒゲ(同)の鳴き声も聞こえた。滝は迫力十分。観光客を何度も案内したという常田会長は「周辺は立派な自然スポット。開発はもったいない」と表情を曇らせた。

 夜、水源近くでアマミヤマシギの姿を確認した。種の保存法による「国内希少野生動植物種」(希少種)の一つで、環境省の保護増殖事業の対象種だ。法的拘束力はないが、同法は土地所有者に「希少種の保存に留意しなければならない」と求めている。

 「調査の結果、予定地に希少動植物は確認できなかった」。処分場を建設する業者側は先月14日の説明会でこう説明したが、周辺を一日歩いただけで貴重な生き物たちに出会えた。「調査結果」には大きな疑問を感じざるを得ない。(外尾誠)
http://www.asahi.com/articles/ASJC541HSJC5TLTB003.html

http://archive.is/HDAQs
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posted by BNJ at 12:26 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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