2016年11月10日

タンチョウ 呼び戻そう 農業や観光振興の資源に 長沼の「舞鶴遊水地」 /北海道【毎日新聞2016年11月10日】(既報関連ソースあり)

 長沼町で、千歳川の治水施設「舞鶴遊水地」を国の特別天然記念物タンチョウの繁殖地とし、農業や観光の振興につなげる構想が動きだした。国などによると、2012年と今年、長沼町への飛来を確認。町や地元農家らは、タンチョウをシンボルとしたまちづくりに知恵を絞っている。

▽青天のへきれき

 道東に密集するタンチョウは、かつて千歳川流域でも繁殖していたとされる。遊水地がある通称・舞鶴地区も「タンチョウがいたことに由来する名称」(戸川雅光・長沼町長)という。

 ただ、明治期の開発や乱獲の影響もあり、流域から姿を消していた。「舞鶴遊水地にタンチョウを呼び戻す会」メンバーの農業、柳原茂春さん(37)は、タンチョウ飛来について「青天のへきれきだった」と振り返る。

 コメや麦を栽培する柳原さんはタンチョウによる食害が気掛かりで、素直に喜べなかったという。ただ、優雅な容姿に加え、「縁起が良い」「長寿」といったイメージを持つタンチョウを、農産物のPRに生かすことができると考え直した。

▽ブランド化

 柳原さんら農家有志は14年、「呼び戻す会」を結成。遊水地を整備してタンチョウの生息適地とするよう長沼町に要望した。町は、鳥インフルエンザといった感染症の発生など、飛来の影響を検討。遊水地の治水機能維持を前提に生息環境を整備すれば、共生は可能と結論付け、今年9月に国や道も交えて「タンチョウも住めるまちづくり検討協議会」の初会合を開いた。

 検討協議会は10月7日、遊水地の視察・意見交換会を主催。農家に加え、専門家や企業関係者ら計約50人が参加し、農産物のブランド化などでアイデアを出し合った。

 関係者がモデルの一つとするのは、国の特別天然記念物コウノトリと共生する兵庫県豊岡市の取り組みだ。コウノトリが餌とするカエルやドジョウも水田に生息しているとして、無農薬・減農薬をPR。同市によると、多様な生物と共に育った「コウノトリ育むお米」は、一般的なコメの1・8倍の価格で販売されているという。

▽「息長い活動を」

 タンチョウは外国人観光客にも人気で、観光資源としても期待できる。長沼町は新千歳空港から近く、廃校の宿泊施設化や野鳥観察施設の整備など複数の案が出ている。

 戸川町長は「タンチョウ観察のため町を訪れた人に、農業も理解してもらえるような仕組みをつくりたい」と説明。呼び戻す会会長の農業、加藤幸一さん(64)は「子どもたちの喜ぶ顔が見たくて、活動を始めた。今は行政に先導してもらっているが、情熱の火を消さず、息の長い活動にしていきたい」と語った。

 ■ことば

タンチョウ
 釧路湿原周辺に生息する体長約140センチ、羽を広げると約240センチになる大型のツル。かつては道全域に分布し、越冬期になると、関東まで渡ったとされる。明治期の開発や乱獲で絶滅したと考えられたが、1920年代に釧路湿原で十数羽が見つかり、地域住民の保護で約1320羽(今年1月時点)まで増えたことが確認された。春から秋まで道東の湿地で繁殖し、餌が不足する冬は釧路市や鶴居村の給餌場に約9割が集まる。感染症による個体数減少が懸念され、環境省は2013年、生息地の分散化計画を策定した。

http://mainichi.jp/articles/20161110/ddl/k01/040/191000c

http://archive.is/rRdZ6
長沼にタンチョウ続々【読売新聞2016年9月22日】
北海道)「タンチョウも住めるまちづくり」始動【朝日新聞デジタル2016年9月7日】
「天然記念物と共生」豊岡が手本 北海道から視察【神戸新聞NEXT2015年12月16日】

posted by BNJ at 11:55 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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