2016年11月15日

つれづれに千葉 今こそ銭湯へ行こう /千葉【毎日新聞2016年11月15日】(コアジサシ)

 我孫子市で先日開かれた日本最大級の鳥の祭典「ジャパンバードフェスティバル」で注目されたのは、カモメ科の渡り鳥のコアジサシだった。燕尾(えんび)形の容姿から「白いツバメ」の異名を持つ。野鳥は環境の変化に敏感だ。河川の岸辺がコンクリートで固められて氾濫などがなくなり、砂が堆積(たいせき)してできる中州などの繁殖地が減ったため、絶滅が危惧されている。

 希少性で言えば、昭和の雰囲気が漂う銭湯は、日本文化の絶滅危惧種。行政上、一般公衆浴場と呼ばれ、物価統制令によって入浴料の上限(千葉県は大人430円)が決まっている点で、スーパー銭湯とは区別されている。時代の変化とともに自家風呂が普及し、今や、昔ながらの銭湯は風前のともしび。行きたくてもなかなか見つからないのが現状ではないだろうか。

 しかし、80年以上の歴史を持ち、柏市内で最も古い、JR柏駅前の「旭湯」は粘り強く頑張っている。5月から「臨時休業」の紙が張り出されたままだったが、大病をした店主の小林重雄さん(85)が入院・手術を経て自宅に戻り、「ただ家にいても仕方ない。少しでも客が来るなら」と今月8日、半年ぶりに再開した。

 復帰初日。早速午後3時半の開店に合わせ一風呂浴びに出かけた。一番乗りと思いきや、すでに湯船には、気持ちよさそうにしている常連客。その後もご近所の人から茨城県内の常連客までぽつりぽつりと訪れ、異口同音に「のんびりできるのがいいね」。脱衣所にある大きな体重計やうちわ、浴室の高い天井、深い浴槽……。貧乏学生のころアパートに風呂がなく、毎夜通った銭湯を思い出す。

 しかし、駅前の一等地にある銭湯の運営は気苦労が多い。昔は煙突に上れば辺り一面を見渡せたが、今は高いビルに囲まれる。「灰が落ちる」と苦情も来れば、大気汚染物質を意味する「PM2・5」と店の壁に落書きする人も。煙が出ないよう火力を弱め、朝から時間をかけて湯を沸かす配慮は不可欠だ。

 県内の銭湯の数は60軒を切り、10年前の半分に減った。利用者減に重労働も重なり、先行きは見えない。旭湯も小林さんが引退すれば、いずれ廃業となる。

 木枯らしが吹いて寒さが身に染みる。今こそ、タオル1本持って銭湯に出かけてみてはどうだろう。懐かしさがこみ上げてくるかもしれない。【柏支局長・橋本利昭】
http://mainichi.jp/articles/20161115/ddl/k12/070/238000c

http://archive.is/GjYke

posted by BNJ at 21:21 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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