2016年11月20日

カワセミ くちばしに異常 雄「ミドリ」ただ今、治療中【毎日新聞2016年11月19日】(アオバネワライカワセミ)

くちばしの治療を受けているアオバネワライカワセミのミドリ=多摩動物公園で2016年10月28日、斉藤三奈子撮影
東京・日野の多摩動物公園 命を救うため続く試行錯誤
 くちばしの一部がえぐれてしまったアオバネワライカワセミの治療が、多摩動物公園(東京都日野市)で進められている。餌をとるくちばしの異常は命の危機につながる一大事。歯科用の特殊材料からホームセンターで買った接着剤までさまざまな素材を試し、患部を保護する詰め物を4カ月間で8回交換するなど、命を救うための試行錯誤が続く。

 アオバネワライカワセミは豪州北部などに生息する。園で2012年2月から飼育されている雄「ミドリ」の上くちばしの左側に、長さ3〜4センチのえぐれが見つかったのは今年6月だった。

 カワセミは捕らえた小魚や小動物などを木の枝や石にたたきつけ軟らかくして食べる習性があるが、ミドリは餌をくわえていないのに打ち付けている様子が確認され、担当獣医の田坂清さん(60)は「癖なのか」と心配する。えぐれたのは、この癖が原因のようだ。

 くちばしは、中心にある骨を血管や神経が通う真皮が包み、その外側を人の爪と同じ角質が覆う構造だ。患部は角質部分にとどまっていたため、再生を期待し、樹脂製の接着剤でえぐれを埋めて保護したが、10日ほどで剥がれてしまった。

 そこで、虫歯治療に使われる、青い光をあてると固まる素材を試した。だが角質との相性が悪いのか、やはり10日ほどで脱落。その後も伸縮テープや瞬間接着剤を組み合わせるなど試行錯誤を続け、現在はたたいても脱落しないよう、テープや点滴用の針で詰め物を固定し、様子を見ている。

 園内には鳥類が約100種おり、これまでもくちばしの治療が行われてきた。コウノトリの場合は、折れたくちばしをプレートでとめたり、じょうろやアルミ板を加工した特製の人工くちばしを用意したりした。田坂さんは「野生動物には明確に決まった治療法はない。頭をやわらかくしてアイデア勝負。ホームセンターでは思わず、治療で使えそうな材料を探すほど。くちばしの再生を根気よく目指したい」と話す。【斉藤三奈子】
http://mainichi.jp/articles/20161119/k00/00e/040/241000c?fm=mnm

http://archive.is/ksfh8

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