2016年11月25日

諫早湾干拓事業 営農地の野菜畑、カモ食害深刻 干潟消滅で陸地へ「越冬の餌場に」 /長崎【毎日新聞2016年11月25日】

<右>順調に育ったレタスの葉<左>鳥に食い荒らされたレタス畑
昨季レタス、キャベツなど3152万円被害
 国営諫早湾干拓事業で造成された営農地で、マガモなどの渡り鳥が出荷前の野菜などを食い荒らす被害が深刻化している。昨季も農家の被害は3000万円余に上っており、営農を支援する県など関係機関も対策に頭を悩ませている。諫早湾は1997年の潮受け堤防閉め切り前まで全国有数の渡り鳥の飛来地だったが、専門家は「干潟が消滅し、渡り鳥の全体数は減っているようだが、広大な農地ができ、陸上の植物を好む種類のカモが越冬しやすい環境になっているのではないか」と分析する。【中尾祐児】


諫早市の中央干拓近くの水路で羽を休めるカモの群れ
 中央干拓と小江干拓の営農者でつくる「諫早湾干拓環境保全型農業推進協議会」によると、渡り鳥による食害は数年前から確認され、今年も10月下旬から被害が出始めた。昨季(昨年11月〜今年2月)はレタスやキャベツ、ブロッコリー、大麦などの畑で被害面積計83ヘクタール、被害額計3152万円に上った。昨季、数百万円規模の被害を受けたという営農者の男性は「今年も出荷前のレタスが食い荒らされた。天候不良による不作に加え、二重苦だ」と肩を落とす。

 同協議会や、県の諫早湾干拓営農支援センターなどによると、被害は中国大陸などから渡ってきたカモ類によるもの。人目に付かない夜間に畑に入り、日中は湾内の調整池や近くの水路などに移動するとみられる。センターは鳥が近づかないように、畑の上に釣り糸を張ったり、ビニールの吹き流しを設置したりするなどの方法を営農者に指導している。だが、野生動物が相手で「有効な対応策が見つからない」(同協議会)のが現状だ。

 県野鳥の会の菅野聖二会長(77)は諫早湾周辺に飛来するマガモやカルガモは計1000〜2000羽と推定し、「警戒心の強い野鳥にとって見晴らしが良く、逃げやすい広大な農地や調整池は格好の越冬地だろう。野菜がおいしいことを鳥が学習した可能性もある」と指摘している。

〔長崎版〕
http://mainichi.jp/articles/20161124/ddl/k42/040/148000c

http://archive.is/X6nD7

posted by BNJ at 11:54 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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