2016年12月22日

東山動植物園 隔離法など明確化…鳥インフル、指針改定へ【毎日新聞2016年12月22日】

古代池に消毒剤を投入する作業員=名古屋市千種区の東山動植物園で(同園提供)
 飼育するコクチョウなどが高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)に感染したのを受けて、東山動植物園(名古屋市千種区)は対応マニュアルを改定する方針を決めた。飼育鳥の隔離方法などについて明確な基準がなかったためで、今後具体的な内容を詰める。確定検査から園内の二つの池が感染経路とみられ、同園は21日、野鳥の飛来を防ぐため、池の水を抜く作業を始めた。

 感染経路とみられるのは「胡蝶(こちょう)池」(2000立方メートル)と「古代池」(130立方メートル)。ウイルスの無害化に効果がある塩素消毒剤を池に混ぜて下水へ流す。21日朝から水抜きを始め、25日までに作業を終える見通し。野鳥から感染した可能性があり、冬の間は池を空にする。

 同園の飼育鳥では、これまでコクチョウや絶滅危惧種のシジュウカラガンなど8羽からH5N6型ウイルスを検出。この8羽と確定検査の結果を待つシジュウカラガン2羽は二つの池で飼育されており、野鳥のふんが池に溶け込み、水を介して感染した疑いがある。


東山動植物園の鳥の検査結果
 農林水産省はアヒルや鶏などの家きん類について、殺処分や移動制限など厳格な対応を定めている。同園も2004年に家きん類のマニュアルを作成。だが、飼育鳥については、環境省の指針でも明確な基準がなかった。

 11月29日にコクチョウが死んでから、同園は隔離飼育や休園、感染した鳥の殺処分などの対応に追われた。動物園での鳥インフルエンザの感染例は全国でも数例しかないうえ、設備の違いもあり、黒辺雅実動物園長は「悩む部分があった」と打ち明ける。

 黒辺園長は今回の事例を踏まえ、鳥の種類別の隔離場所など、マニュアルを改定し、一定の基準を設ける考えを示した。ただ、空気を完全に遮断できる検疫室は6部屋しかなく、防疫体制は万全とは言えない。【三上剛輝、山口朋辰】

狭い獣舎、募るストレス
 11日から動物園エリアを休園したことで、餌の調達や隔離によるストレスなど飼育する動物への影響が出始めている。また、年末年始のイベントの中止を余儀なくされ、同園は肩を落としている。

 人気者のニシローランドゴリラ「シャバーニ」はカシの木の葉が主食だ。園外で植栽し、トラックで運んでいたが、頻繁な行き来はウイルスを外部に拡散する恐れがある。葉が不足しつつあり、同園は車体を丸ごと消毒できるワンボックスカーで搬入している。

 古代池から仮獣舎に隔離されたベニイロフラミンゴは、餌の摂取量が減った。池の水を抜いたことで、仮住まいは少なくとも来春まで続くことになり、同園は「獣舎は狭くストレスを感じているのでは」と心配している。

 動物園エリアでは18日、今年3月に生まれたコアラの命名式を開く予定だったが、中止を余儀なくされた。23日からの3連休は連日、クリスマスにちなんだイベントを企画。来年1月3日にも餅つきを開催する予定だったが、取りやめた。

 動物園エリアの再開は、完全に消毒が完了したと判断してから21日後となる。同園は年明けの1月上旬にも再開する意向だが、河村たかし名古屋市長は19日の定例記者会見で「まだ何とも言えない」と明言を避けた。【三上剛輝、山口朋辰】
http://mainichi.jp/articles/20161222/k00/00m/040/149000c

http://archive.is/qjOXS
鳥インフル シジュウカラガン1羽から検出 東山動植物園【毎日新聞2016年12月21日】
2つの池を消毒・水抜き 東山動植物園、鳥インフル問題【中日新聞2016年12月20日】

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