2016年12月22日

森へおいでよ 筑豊の自然再発見<16>カラスの仲間 「悪さ」をしない種も [福岡県]【西日本新聞2016年12月22日】

(1)ミヤマガラス=大任町

(2)ミヤマガラスの群れ=大任町

(3)ハシブトガラス=三郡山

(4)ハシボソガラス=大任町

(5)コクマルガラス(上)とミヤマガラス=大任町

 ごみをあさったり農作物を荒らしたりして嫌われているカラスだが、単にカラスといっても冬の間、筑豊では黒いカラスだけで4種が見られる。

 秋から冬にかけてカラスが増えたと感じている方も多いと思うが、実はその通りで、夏に比べてカラスの数は3、4倍、地域によってはそれ以上になっているところもあると思われる。

 増えている原因は、ミヤマガラス=写真(1)。10月終わりごろに中国からやってくる渡り鳥である。田んぼ近くの電線にずらっと並んでいるカラスがいたら=写真(2)、本種であると思って間違いない。

 一年中日本にいる留鳥のハシブトガラス=写真(3)やハシボソガラス=写真(4)と比べて少し小さく、ぽこっと出た額の下に灰色のとがったくちばしを持つ。

 また、ミヤマガラス100羽に1羽ぐらいの割合で、ハトぐらいの大きさのコクマルガラス=写真(5)が入っていることもある。

 羽ばたいて旋回しているミヤマガラスの群れを見ると、ほとんどの人が「なんか不吉だ」「気持ち悪い」と感じてしまう。そのために「ごみあさりの犯人」として無実の罪を着せられることも多いのである。

 「ガーガー」と少し甲高いしわがれ声で鳴くだけで言い訳できない彼らを弁護すると、彼らは稲刈り後の田んぼにいる昆虫類や草の種を食べていて、ごみあさりはしないのである。さらに、農作物を荒らすこともない。

 悪さをしているのは、留鳥のハシブトガラスとハシボソガラスである。「悪さ」と言っても人間にとっての「悪さ」であって、彼らにはもちろん罪の意識はない。懸命に日々を生きようとしているだけである。

 図鑑を見るとハシボソガラスより7センチほどハシブトガラスの方が大きいが、野外で大きさの違いはほとんど分からない。

 額の出ている方がハシブトガラスで「カーカー」と澄んだ声で鳴く。ハシボソガラスには額の出っ張りがなく「ガーガー」と絞り出すような声でおじぎをするように鳴く。

 これら2種は生息する環境も違っていて、ハシブトガラスは森やその周辺、建物の多い市街地に、ハシボソガラスは開けた農耕地に多い。

 「悪さ」をするカラスを増やさないために、私たちがすべきことをみんなで考えていかなければならない。

(筑豊の自然を楽しむ会=ちくぜんらく・木村直喜(ザ・バードマン))
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_chikuhou/article/297363

http://archive.is/rmSZ4

posted by BNJ at 21:38 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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