2016年12月25日

2016・記者ノート 地域の歴史を守る意味 /千葉【毎日新聞2016年12月25日】(行徳野鳥観察舎/既報関連ソースまとめあり)

 野鳥観察や環境学習の場として利用されてきた県の「行徳野鳥観察舎」(市川市福栄4)が、耐震基準を満たしていないことを理由に無期限休館になってから28日で1年を迎える。廃止を検討している県と、存続を求める市川市は協議を進めているが、結論は出ていない。財政負担の問題が協議を難航させているようだが、県と市には50年後、100年後を見据えて観察舎の存在意義を考えてほしい。

 観察舎が建つ「行徳鳥獣保護区」(55ヘクタール)は、戦後の埋め立て工事で造成された工業地帯に囲まれている。1975年に自然保護を求めるボランティアらの努力で整備された。東京湾の貴重な自然と生物が守られ、水鳥の貴重な飛来地になっている。

 海に向かって工場が建ち並ぶ現在の景色を見て育った子供たちは、かつては一帯が広大な干潟やアシ原などが広がる湿地だったことを想像できるだろうか。

 保護区の管理運営を委託されているNPO法人「行徳野鳥観察舎友の会」は定期的に自然観察会を開催している。私も夏に参加させてもらったが、目を輝かせてカニや貝を手にする子供たちの姿に、胸が痛んだ。水辺の生き物と接することが、この子たちにとって「非日常」になってしまっていることに。

 千葉の湾岸部を工業地帯にすることは戦後の発展のためにはやむをえないことだったとも思う。だが、失われてしまった自然と歴史だからこそ、地域で大切に伝えていかなくてはいけない。そのための拠点として観察舎は必要だ。観察舎を残して活用することは、何を犠牲にして経済発展があったのかを私たち自身に問い続けることにもなる。子供たちに、コンクリートで固められた海が当たり前の光景だと、決して思ってほしくない。【小林多美子】
http://mainichi.jp/articles/20161225/ddl/k12/070/083000c

http://archive.is/1oCBX
県行徳野鳥観察舎 廃止の方向で検討【読売新聞2016年7月23日】
千葉)行徳野鳥観察舎「存続適当でない」 県行革審【朝日新聞デジタル2016年5月21日】
行徳野鳥観察舎存続を 千葉県野鳥の会、署名提出【千葉日報オンライン2016年4月14日】
行徳鳥獣保護区 フィールドミュージアム研究会 市川で5日、設立シンポ 江戸前干潟の活用検討 /千葉【毎日新聞2016年3月2日】
水辺の自然観察拠点、存続か廃止か 千葉の休館施設巡り【朝日新聞デジタル2016年2月28日】(行徳野鳥観察舎/既報関連ソースまとめあり)
野鳥観察の拠点、危機 千葉・行徳野鳥観察舎【朝日新聞デジタル2016年2月23日】
【千葉】「野鳥観察舎」は存続、「赤レンガ」は保存を 市川市長が知事に要望【東京新聞2016年2月4日】
行徳野鳥観察舎廃止が大勢 県行政改革審議会【産経ニュース2016年1月20日】
【千葉】「観察舎」存続へ署名計6411筆提出 県行革審の審議前に【東京新聞2016年1月19日】
【千葉】日本野鳥の会など知事に要望書提出 行徳の観察舎存続求め【東京新聞2016年1月15日】
【千葉】赤レンガの「保存」 野鳥観察舎「存続」 市川市長、県に要望へ【東京新聞2016年1月14日】
【千葉】県が廃止方針「行徳野鳥観察舎」 市民団体「自然守る拠点、存続を」【東京新聞2016年1月13日】(既報関連ソース多数)
行徳野鳥観察舎 県が廃止検討 「自然守る拠点、必要」 最終日570人来館、存続願いイラストや寄せ書き /千葉【毎日新聞2016年1月8日】
野鳥観察舎 存続求め署名【YOMIURI ONLINE2015年12月27日】
行徳野鳥観察舎 28日に休館 老朽化、耐震基準下回る 野外観察会や救護活動は継続 /千葉【毎日新聞2015年12月13日】(他2ソース)

posted by BNJ at 21:49 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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