2016年12月27日

山梨)「トンちゃん」夫の病も持ち去って トビに油揚げ【朝日新聞デジタル2016年12月27日】

【動画】トビに油揚げを与える石川由紀子さん=河合博司撮影

油揚げを投げると、翼の端から端まで160センチほどあるトビが次々舞い降りてきた=富士川町最勝寺

 「トンちゃ〜ん、トンちゃ〜ん」。富士川町最勝寺の主婦石川由紀子さん(73)は毎日お昼前、空に声を張り上げながら愛犬2頭の散歩を始める。今どこを歩いているかは遠くからでもわかる。上空を50羽ほどの大きな鳥が旋回しているからだ。トビ。トンビとも言う。

 子供連れや近くのゴルフ場の客が足を止め、トビに油揚げを投げる石川さんを見やる。「大きな鳥がおばちゃんの周りにいっぱい集まる。何事かと思った」と職場から見守る樋口富士雄さん(75)は話す。

 石川さんは、小学生の頃から青空を旋回するトビを眺めるのが好きだった。「ピーヒョロロって鳴き声がのどかでしょ。目がクリッとしてタカの仲間だけれど可愛いんですよ」

 8年前、近くで死んでいた若鳥を川の土手に埋めてやった。それから2羽のトビが近づいてくるようになった。「親だったのでしょうか?」

 ちくわ、はんぺん、鶏肉、白身魚など、餌やりを試した。出費と持ち運びを考えて、油揚げに落ち着いた。「昔からことわざにあるでしょ。好きに違いないと思ったら、その通りでした」。近所のスーパーで3日おきに5枚入りの油揚げを50袋買う。「いったい何を作るんですか、と聞かれるの」と笑う。

 2センチ幅に細長く切った油揚げを空に投げ上げると、トビは競って降下する。空中でキャッチするのもいるが、大半は落ちた油揚げを地面すれすれでつかみ、そのまま舞い上がる。

 雨や雪の日も欠かさない。「あくせくしないで、私もトンちゃんのように優雅に余裕を持って暮らしたい。羽があったら私も飛んでいきたい」

 油揚げと引き換えに、トビに託す思いがある。2年前までは一緒に散歩し、今は病床にある夫、武美(たけよし)さん(71)を元気にして欲しい。「トンちゃんが悪い病気をどこかへ持ち去ってくれたらいいな」(河合博司)
http://www.asahi.com/articles/ASJDM33CBJDMUZOB002.html

http://archive.is/gcenm

タグ:トビ 給餌
posted by BNJ at 11:25 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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