2017年01月06日

【ビジネス解読】史上最悪を2倍超も更新 鳥インフル大国・韓国 「日韓でなぜ違うのか」報道やネットで自国の防疫体制に疑問【産経ニュース2017年1月6日】

鳥インフルエンザウイルスによる被害拡大を防ぐため、行われた消毒作業=2016年12月16日、韓国・釜山(聯合=共同)
 発症率の高い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)が日韓で猛威をふるっている。日本国内でも昨年11月以降、北海道や青森県、新潟県など5道県で計約106万羽の家禽が殺処分された。だが、韓国の被害はケタが違う。1月3日時点での殺処分は約3003万羽となり、これまでで最悪だった2014年(1400万羽)の2倍超に上った。すでに韓国国内で飼育する採卵用の鶏の3割が処分されたが、感染はいまだ収束する気配もなく、韓国養鶏業の“壊滅”も懸念される事態となっている。韓国農林畜産食品部(省に相当)は、危機警報を最悪レベルの「深刻」に引き上げ対応を急ぐが、同時期の発生にも関わらず、「なぜ日韓でこれほどまでに差が…」と現地メディアからもいぶかしむ声が上がっている。

初動体制に格差

 「拡散を食い止めるには、国民の皆さんの協力が必要だ」

 クリーム色の防災服に身を包んだ韓国の金在水・農林畜産食品相は昨年12月16日に発表した国民向けの談話で、鳥インフルエンザの封じ込めに向け、こう強調した。これに先立ち同部は、災難・安全管理基本法に定めた4段階ある危機警報を最悪レベルの「深刻」に引き上げ、部内に設置した「防疫対策本部」を「中央事故収拾本部」に拡大した。

 警戒レベルの引き上げにより、家禽を載せた車の移動禁止や、食肉販売店・食肉処理場の閉鎖、路上の全車両の消毒など、感染防止策の強化が可能になる。もっとも、11月に初めて鳥インフルエンザの発生が確認されてからほぼ1カ月後の措置としては、いささか後手にまわった感は否めない。

 日本の場合、国内3カ所で水鳥のふんなどからウイルスが見つかったことを受けて、環境省は11月21日の時点で、調査対応のレベルを最高にあたる「3」に引き上げた。農林水産省も、各自治体や知事に対し監視強化を求める通達を出すなど、早期に徹底した封じ込め策に乗り出した。一方、中央日報によると、韓国では10月下旬に渡り鳥のふんからウイルスが検出されたことを受け、市単位での防疫隊を設けて「渡り鳥注意」の文書を近隣農家に送付するにとどまり、日韓の防疫当局における初動体制の“格差”を指摘した。

韓国メディアも体制不備を指摘

 同様に、聯合ニュースは「同時期に発生した日本と韓国で、被害規模に大きな差が出た」との記事を配信し、政府当局者や有識者の視点から、日韓で被害に違いが生じた要因を報じた。

 ここであげられた要因の中には、「韓国に比べ、日本は家禽農場が密集しているケースが少ない」「渡り鳥のウイルスを農場に運ぶカモの飼育数が日本では少ない」など疑問符がつく項目もある。ただ、ここでも「初動対応の遅れ」や「鶏卵農場における管理状態」など、韓国の防疫状の問題が指摘された。

 聯合ニュースは初動対応について「日本はマニュアル通りにすぐ動くが、韓国はさまざまな手続きが必要で対応が遅れる」とする有識者の分析を報じた。また、鶏卵農場で卵を運搬する際、韓国では外部の輸送車両が鶏舎の入り口近くで卵を搬出するケースが多く、防疫も十分ではない、と防疫体制の問題点を指摘した。

防疫意識やモラルは「日本より50年遅れ」

 こうした防疫体制の不備を報じるニュースは少なくない。朝鮮日報はずさんな防疫体制について、韓国各地で報告が相次いでいると報じた。感染が確認された11の市・郡を対象に国民安全処(庁に相当)が調査で、政府が定めた感染対策指針の違反が20件あったという。

 具体的な違反事例を見ると、自治体が感染確認後に、書類上で対策本部を立ち上げたが、実際には活動していなかった▽感染農場周辺に設置した車両などの消毒場の一部を、人手不足を理由に設置から6日で撤去し、別の地域に移した▽24時間体制が義務づけられた消毒場を夜間休止していた−など、ずさんな管理が目につく。また、移動中止命令を守らず、トラックで飼料の運搬を行ったり、消毒場の設置そのものをごまかしたり、という感染拡大に直結する事案も少なくない。

 韓国における鳥インフルエンザの大流行はこれが初めてではない。2014年にも鳥インフルエンザにより約1400万羽を殺処分した。この年は並行して牛や豚にとって致命的な感染症の口蹄疫も流行していた。また、10年末から11年にかけても、鳥インフルエンザと口蹄疫により、危機警報のレベルを今回と同じ「深刻」にしている。ほぼ3年ごとに大流行を繰り返しているにも関わらず、過去の経験がその後の対策に生かされていないのが実情だ。

 こうした日韓の防疫体制の差に対し、韓国のインターネット掲示板には「正直、日本のことは嫌いだが、こうした日本政府の対応はうらやましい」「日本と比較しないでほしい。日本は私たちより50年は進んでいる」と嘆く声も少なくない。

 「国民の協力が必要」という冒頭の金農林畜産食品相の言葉は、防疫意識やモラルが浸透していない韓国の国情に対する「嘆き節」にも聞こえる。(経済本部 内田博文)
http://www.sankei.com/premium/news/170106/prm1701060009-n1.html
http://www.sankei.com/premium/news/170106/prm1701060009-n2.html
http://www.sankei.com/premium/news/170106/prm1701060009-n3.html
http://www.sankei.com/premium/news/170106/prm1701060009-n4.html

http://archive.is/MwyjO
http://archive.is/efcKy
http://archive.is/RJRnh
http://archive.is/jsvN1
訂正:韓国、鳥インフルで食用卵不足に 1カ月で25%値上がり【ロイター2017年1月4日】
韓国で猫2匹から鳥インフル検出 養鶏盛んな地域【共同通信2016年12月31日】(H5N6型)

posted by BNJ at 22:43 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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