2017年01月10日

山口)ナベヅル相次ぐ行方不明なぜ 周南市八代盆地【朝日新聞デジタル2017年1月10日】(既報関連ソースあり)

親子とみられる3羽のナベヅル=周南市、竹林賢二さん撮影

 本州唯一のナベヅルの越冬地、周南市の八代盆地で、今季飛来したツルが1カ月後に行方不明になるケースが相次いでいる。昨年11月に2羽、12月に1羽が飛び去り、姿が確認できるのは3羽だけに。「ツルの里」で何が起きているのか。

 幸先のいいスタートだった。昨年10月25日に第1陣として親子3羽が舞い降りると、約2時間後には第2陣のつがい2羽が飛来。同じ日に1、2陣が相次ぐのは近年ではあまりなく、関係者は計8羽に終わった昨季を上回る渡来数を期待した。

 ところが、1カ月ほど経った11月22日、つがい2羽が行方不明に。その翌日には第3陣として新たに若鳥1羽が飛来したものの、こちらも約1カ月後の12月25日に姿を消してしまった。市鶴いこいの里交流センターによると、計3羽はいずれも、鹿児島県出水市など他の越冬地に向かった可能性が高いという。

 つがい2羽がいなくなった理由はよく分からない。だが、若鳥の行方不明には兆候があったと、市教育委員会でツルの保護を担当する増山雄士さんが説明する。

 若鳥は、第1陣の親子3羽とねぐらを共有しており、争いが絶えなかったからだ。ねぐらの中で激しい鳴き声がしたことや、ねぐらに入った後で、4羽がまた飛び出してくることもよくあったという。

 野鶴(やかく)監視所の監視員たちも「親子3羽が、若鳥を追いかけ回していたのではないか」と推測する。幼い子どものいる親ヅルは強い縄張り意識を持ち、よそ者が近づくと威嚇する習性があるためだ。

 だが、八代盆地のねぐらは計11カ所もある。なぜ、わざわざ同じねぐらで夜を過ごしていたのだろうか。

 「若鳥にしてみれば、3羽と一緒にいた方が外敵から身を守れて、安心だったのかもしれない。あるいは他のねぐらが分からず、3羽についていった可能性もある」と増山さん。

 センターによると、1940年に355羽を数えた渡来数は次第に減少し、2008年は4羽にまで落ち込んだ。環境の整備などでやや持ち直してはいるものの、大幅な増加にはつながっていないのが現状だ。

 最大の理由が、激しさを増す縄張り争いだ。全体の個体数が減った分、力のある親子ヅルがより広い縄張りを主張するようになり、他のツルがいられなくなる傾向がみられるという。

 こうした縄張り争いは当初、エサ場で顕著だったが、センターがエサ場を5カ所に分散させたことなどでほぼ収束。最近は、ねぐらでの争いが目に付くようになったという。

 親子ヅルが若鳥と共有していたねぐらの広さは約1ヘクタール。11カ所の中で最大だ。それでも、縄張りを広く取ろうとして争いへと発展。昨季も親子ヅルにねぐらを追われ、1羽が行方不明になった。

 増山さんは「お互いに別々のねぐらを使えばいいのに、ツルが選ぶねぐらにはなぜか偏りがある」とみる。「ねぐらでの縄張り争いがエスカレートするようだと、新たな対策を考えないといけない」(三沢敦)

     ◇

 〈ナベヅル〉 国の特別天然記念物。シベリアや中国東北部で繁殖し、晩秋に約2千キロを渡って日本に飛来する。体長約1メートル、体重3・5〜4キロ。灰黒色の体で首から上が白、頭頂に赤い皮膚が見える。国内最大の越冬地は、20季連続で「万羽鶴」を達成している鹿児島県・出水平野。八代盆地は出水平野とともに国の特別天然記念物に指定されている。
http://www.asahi.com/articles/ASJDY424NJDYTZNB008.html

http://archive.is/T2cmf
ナベヅル1羽不明、周南・八代【山口新聞2016年12月27日】
山口)ツルの里も雪化粧 周南・八代盆地【朝日新聞デジタル2016年12月17日】
ナベヅル 成鳥1羽が八代飛来 周南 /山口【毎日新聞2016年11月25日】
交流授業 ツルをテーマ 佐賀県伊万里で出水・荘中生徒 越冬の現状と分散化訴え /鹿児島【毎日新聞2016年12月10日】(既報1ソース)

posted by BNJ at 11:44 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: