2017年01月14日

15歳のニュース「ホーホケキョ」だけじゃない ウグイスのさえずり、環境で変化【毎日新聞2017年1月14日】(既報関連ソースあり)

 「春告鳥」の異名があるウグイスのさえずりについて、国立科学博物館脊椎(せきつい)動物研究グループ長、濱尾章二(はまおしょうじ)さん(行動生態学)の研究で興味深い事実が明らかになった。歌には1羽(わ)ごとの個性があり、環境(かんきょう)によって歌い方が変化するという。

複雑に歌える雄は魅力的
 ウグイスは一夫多妻(いっぷたさい)制で、雄(おす)はヒナの世話をしない。さえずるのは雄だけ。我が子を増やそうと複数の雌(めす)をひきつけ、そこが自分の縄張(なわば)りと主張して他の雄を侵入(しんにゅう)させないことが二大目的だ。春になると男性ホルモン「テストステロン」の血中濃度上昇(のうどじょうしょう)に伴(ともな)って歌い始める。よく知られた「ホーホケキョ」だけでなく「ホーホケキキョキキョ」「ホーホホホホキホヒコホ」など多彩(たさい)な節回(ふしまわ)しがある。

 歌い方は前年までに身近な成鳥から学ぶ。最初は音の数が少なかったり声量が乏(とぼ)しかったりする「口舌(ぐぜ)り」鳴きとなる。成鳥も毎年春先は口舌り鳴きから練習し直す。さえずりは一羽一羽異なり、複雑に歌いこなす雄ほど雌には魅力的(みりょくてき)らしい。活発にさえずり続けた結果、繁殖(はんしょく)期後半の夏には喉(のど)の皮膚(ひふ)が伸(の)びてしまうこともある。

ハワイでは80年で単純化
 日本から1920〜30年代にハワイに持(も)ち込(こ)まれて野生化したウグイスは、その後の約80年間で歌が「ホーピヨッ」「ホーホピッ」などと節回しが単純化したことが分かったという。日本では多くのウグイスが冬は暖かい地域で過ごし、春に山間部などの繁殖地に戻(もど)って縄張り争いをするが、年中暖かいハワイでは一定地域に定住する。濱尾さんは「雄の顔ぶれが同じで、競争が緩(ゆる)やかだからではないか」と見る。

 気象庁は、季節の遅(おく)れ・進みなどを把握(はあく)するための「動物季節観測」の一つとして「うぐいすの初鳴日(はつなきび)」を調べている。昨年、観測地の中で最も早かったのは沖縄県の大東(だいとう)島で1月5日、最も遅(おそ)かったのは北海道網走市(あばしり)で5月6日だった。キミも、身近な林などで耳を澄(す)ませて春の到来(とうらい)をウグイスから教わり、さえずりの上達具合を楽しもう。

 ■KEY WORDS

 【ウグイス】

 スズメ目ウグイス科ウグイス属の留鳥(りゅうちょう)(渡(わた)りをせず、ほぼ同地域にすむ鳥)・漂鳥(ひょうちょう)(季節ごとに短距離(たんきょり)移動する鳥)。雄(おす)は約16センチ、雌(めす)は約14センチ。東アジアやフィリピンなどに分布。背面(はいめん)がオリーブ色、腹面(ふくめん)は白い。日本では、夏は山地の低木林で繁殖(はんしょく)し、冬は平地にすむ。オオルリ、コマドリと共に「日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)」の一つ。鳴き声を楽しむため古くから飼われた。ふんは美顔剤(ざい)や染(し)み抜(ぬ)き剤(ざい)に使われる。ホトトギスがしばしばウグイスの巣に卵を産みつけ(托卵(たくらん))、ウグイスは仮親となって育てることがよく知られている。選挙カーに乗って候補者への支持を呼(よ)び掛(か)ける美声の女性を「ウグイス嬢(じょう)」と呼んだ時代もある。

 【さえずり】

 一般(いっぱん)に小鳥たちの鳴き声を「さえずり」ともいうが、歳時記(さいじき)などでは繁殖期の雄の求愛歌を指す。普段(ふだん)の鳴き声は「地鳴き」という。

http://mainichi.jp/articles/20170114/dbg/048/040/005000c

http://archive.is/0vc7O
科学の森 鳥のさえずり 個性や「進化」 コミュニケーション、多彩に【毎日新聞2017年1月5日】
ウグイスさえずり 短期で変化【NHK首都圏NEWSWEB2015年5月7日】

タグ:ウグイス
posted by BNJ at 11:37 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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