2014年07月15日

アメリカ、野鳥への餌やりが拡大【ナショナルジオグラフィック日本版ニュース2014年7月15日】

雪をかぶった餌台に集まるフィンチ。このように家の庭に餌台を置く人はアメリカに推定4500万人いる。

Photograph by Wayne Gammon / National Geographic Your Shot
 1980年代、冬に鳥に餌を与えることの危険性が指摘されていた。気高い野鳥が人に依存する物乞いに成り下がり、自分で餌を探さなくなる。その結果、餓死したり、病気にかかりやすくなったりする恐れがあると言われていた。 結果は? そうした指摘は事実ではなかった。

 1984年から1985年にかけての冬、テンプル氏は同僚のマーガレット・C・ブリンガム(Margaret C. Brittingham)氏とともに、デビルズレイク州立公園(Devil's Lake State Park)の自然センターにある餌台を撤去した。この餌台には25年前から冬になると鳥の餌が置かれていた。そして、餌台の常連だったアメリカコガラ49羽と餌台のない地域に暮らす35羽に識別用のバンドを付けた。

 テンプル氏は次のように結果をまとめている。「デビルズレイクの“依存症患者たち”に“荒療治”を施しても悪影響は見られなかった」。つまり、生存率に変化は見られなかった。

 さらに、アメリカコガラが餌台から摂取していたカロリーは全体の20〜25%にすぎないこともわかった。夏から生き延びている昆虫であれ、枯れゆく夏の花の種であれ、1つの餌が尽きれば別の餌を食べるだけの話だ。

 今では不安の声はほとんど聞かれない。裏庭に鳥を呼んでいる人々はうれしそうに冬も夏も餌を置いている。

◆愛好者の増加

 現在、野鳥観察の世界では、裏庭で鳥に餌をやることは満足感を与える行為、さらには崇高な行為とされている。

 コーネル大学鳥類研究所(Cornell Lab of Ornithology)によれば、アメリカでは10年に約8万5000平方キロのペースで住宅地が拡大しているという。8万5000平方キロは、メリーランド州とウェストバージニア州を合わせたくらいの面積だ(北海道の面積に近い)。幸い、そうした新興住宅地では野鳥観察や餌やりを趣味にする人が増えている。釣り、狩猟および野生生物がかかわる娯楽に関する国勢調査(National Survey of Fishing, Hunting, and Wildlife Associated Recreation)によれば、裏庭で野鳥観察や餌やりを楽しむ人は2006年には4200万人だったが、2011年には約4500万人まで増加している。

◆新たなトレンド

 270店舗をフランチャイズ展開するワイルド・バーズ・アンリミテッド(Wild Birds Unlimited)の創業者兼最高経営者(CEO)ジム・カーペンター(Jim Carpenter)氏はさまざまなトレンドを追っている。その一つが夏に餌をやる人の増加だ。 カーペンター氏が1号店を開いた1981年、冬に餌をやることへの不安が話題になっていた。

「われわれは鳥が生き延びるために餌を与えることは推奨していない」とカーペンター氏は話す。「餌を与えるのは鳥を観察するためだ。夏はキツツキの観察に最適な季節だ。小さなひなが巣立つ季節でもある。(冬が終わったときに)餌やりをやめてしまう人は貴重な体験を逃している」。

Photograph by Wayne Gammon / National Geographic Your Shot
文=Martha Hamilton
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/9480/

http://archive.is/9cp3U

posted by BNJ at 23:00 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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