2017年02月20日

【関西の議論】中国もびっくり!15頭のパンダ誕生させた和歌山アドベンチャーワールド…繁殖の技術力に国内外から注目【産経WEST2017年2月20日】(エンペラーペンギン)

結浜を抱く飼育スタッフ=和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド
 和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」で昨年9月、15頭目となるジャイアントパンダの赤ちゃん「結浜(ユイヒン)」(雌)が誕生した。すくすくと成長し、乳歯が生え、歩けるようにもなった結浜。これまでは産室で公開されていたが、1月下旬に母親の良浜(ラウヒン)とともに“運動場デビュー”し、愛らしさを振りまいている。同施設は、エンペラーペンギンの繁殖に国内で唯一成功しているほか、バンドウイルカの繁殖プロジェクトチームを結成するなど、さまざまな希少動物について自然繁殖を重視した保護研究を行っている。人工的な“繁殖”ではなく、人間と同じように自然なかたちの“家族”の中で育む−。それが希少動物の保護につながるという考えだ。(福井亜加梨)

中国国外で最多

 「良浜(ラウヒン)は5回出産し、計8頭のお母さんになりました。結浜の子育ても慣れた様子で行っています」

 結浜と良浜が親子で過ごす様子が公開され、飼育スタッフがアナウンスを始めると、すぐに人だかりができた。良浜が母乳を飲ませたり結浜の体をなめたりする姿を、来場者たちは手を振るなどしながら見守っていた。

 アドベンチャーワールドによると、ジャイアントパンダの繁殖研究は、中国・四川省との共同で平成6年に始まった。同施設での出産は、12年に妊娠した状態で来日した「梅梅(メイメイ)」が最初で、すぐに良浜が生まれた。

 これまでに15頭という誕生実績は、中国国外の施設では最多。要因の一つは、このうち14頭の父親となった永明(エイメイ)の存在だ。梅梅、良浜と繁殖を行ったが、どちらとも相性が良かったという。

 永明はすでに24歳。人間でいうと70歳を超えており、飼育された状態で自然繁殖に成功した世界最高齢の雄だ。担当者は「今後は、生まれたパンダを健康に育て、次世代へとつないでいくことが重要」と力を込める。

母親による子育てが重要

 アドベンチャーワールドでは、ジャイアントパンダの赤ちゃんには最初に母乳を与え、生後約1年間を母親と過ごさせるなど、できるだけ自然に近い流れで子育てを行っている。こうした環境づくりが、赤ちゃんを健やかに育てることや、自然交配能力の育成に有効と考えられているためだ。

 雄の赤ちゃんなら、母親の行動を近くで見ることで、雌の扱い方も学ぶとされている。

 結浜も、まだ竹が食べられないにも関わらず、良浜のまねをして竹をかじろうとするしぐさを見せるなど、母親からさまざまなことを学んでいる様子がうかがえるという。親子で過ごす貴重な時間を、飼育スタッフらも全力でサポートしている。

エンペラーペンギンも

 昨年、同施設で10羽目となる赤ちゃんが誕生したエンペラーペンギンも、繁殖や子育てに飼育スタッフたちが工夫を重ねている。

 国内での誕生実績は他にはなく、同施設でこれまで誕生した10羽はすべて両親が同じ。エンペラーペンギンは、繁殖の相手を入念に選ぶとされており、相性が良かったことが要因の一つと考えられている。

 子育ては、親の重みで赤ちゃんがつぶされてしまうことなどを避けるため、一定期間、人の手で行う必要がある。

 エンペラーペンギンは生まれて初めて見た動くものを親と認識する習性があるため、スタッフはペンギン形のマスクと手袋を装着し、録音した親鳥の鳴き声を聞かせながらエサを与えるなどしている。

鯨類繁殖プロジェクト

 同施設では陸・海・空で140種1400頭の動物を飼育。さらに、さまざまな希少動物の保護研究を進めており、これまでに16頭を誕生させたバンドウイルカについても昨年12月、鯨類の繁殖プロジェクトチームを結成した。

 繁殖を目的に、所有権を各施設に残したまま施設間で動物の貸し借りを行う「ブリーディングローン制度」もあり、さまざまな手法で、計画的な繁殖や育成を目指している。

 担当者は「個体数をただ増やすのではなく、できるだけ自然の流れに沿うことや、母親の手による子育てを重視したい。それが健やかな動物の成長につながり、繁殖研究を持続させることにもにもつながるはずだ」と話す。

 パンダといえば、長らく東京・上野動物園のイメージが強かったが、今やアドベンチャーワールドが国内での“本場”といってもいい。その繁殖の技術力や子育ての手法は国内外から高い注目を集めている。
http://www.sankei.com/west/news/171215/wst1712150003-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/171215/wst1712150003-n2.html
http://www.sankei.com/west/news/171215/wst1712150003-n3.html

http://archive.is/NFcwq
http://archive.is/5HaMz
http://archive.is/scv9Q

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